無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

六本木「エッグセレント」~メニューはきちんと読まなくちゃ!~

外食大好きなくせに元来の出不精で腰が重い私ではありますが、最近流行りの朝食ブームのおかげで随分ハードルが低くなりました。朝から美味しい朝ごはんが食べられるのなら、早起きして出掛ける気になるってものです。(とにかく身支度して家を出るまでが億劫なので、出てしまえばなんとかなる)

この日は国立新美術館マグリットを見に行く前に、「エッグセレント」さんで朝食。こちらは、平日だと7時からオープンしていて、9時半までのアーリーバード・アワーは、ヨーグルトとグラノーラや、フルーツサラダとヨーグルトといった軽めの朝食から、目玉焼きにベーコン、サラダパンケーキといったエナジーブレックファストまで、数々の朝食メニューが揃っているのだそうです。

私のお目当てメニューは9時半以降に登場の、数種類展開しているエッグベネディクトのうち、一番人気の2種を盛り合わせた「ハーフ&ハーフエッグベネディクトでしたので、やや遅めの朝食と相成りました。

◆ ハーフ&ハーフ・エッグベネディクト

イングリッシュマフィンの上にポーチドエッグとベーコン&オランデーズソースが乗ったスタンダードなものと、しそと胡麻のご飯の上にアボカドとマグロを乗せてオリジナルの麦みそソースをかけたアボカド・マグロ・エッグセレント・ベネディクト。この2種類のベネディクトが楽しめるのが、ハーフ&ハーフです。その他にも変わりダネのエッグベネディクトや、スキレット料理など可愛いイラストと共に魅力的なメニューが揃っていて目移りしそうになりますが、ここは初志貫徹。

◆ メキシカン・エッグベネディクト
同席者はマフィンの上に卵とチリコンカン、ワカモレラタトゥイユが乗ったメキシカンベネディクト

一緒にオーダーしたアサイードリンクを飲みながら、暫し店内観察。天井の広い開放的な店内には、六本木らしくインターナショナルスクールのお子さんたち(平日の午前だけどなぜ?)とママ、ノートPCを抱えたビジネスマン、スーツケースを携えた観光客風の母娘、おしゃれ女子二人組、写真を撮りまくっている旅行者風の欧米人カップルなど多彩な客層。10時を過ぎると更に来店客が増え、あっという間に満席の勢いです。店内も広いし、お客さんの数に対してお店の方の数がやや少ないような…。

ここで・・・、ハプニング1。同席者とお喋りに興じてうっかりしていましたが、ドリンクが半分に減っても、あれ?まだエッグベネディクトが来ない。気がついたらとうに30分は経っているではないですか!慌ててお店の方を呼び止めて確認。5分ほどしてから恐縮しながらサーブしてくれました。いくら店内混み始めているとは言え、エッグベネディクトの調理にこんな時間がかかるはずもなく、どうやらオーダーが忘れられていたのでしょうか?朝食を抜いてきた私はもう空腹たまらん…。

が、ここでハプニング2。エッグベネディクトの下に敷いてあるはずのパンやライスがない!!!しかしこれはお店の方ではなく私の痛恨のミス。実は、メニューには「すべてにローストトマトとミニリーフサラダをおつけしております。パン/ライスをご希望でないお客様はビッグサラダをおつけ致します。」とあり、エッグベネディクトの土台のイングリッシュマフィンやライスの他に、パンやライスがプラスして付いてくるものだと早合点した私。

「更にパンやライスなんか食べれる訳ない」と勘違いしたまま、オーダーの際に「ビックサラダでお願いします」とはっきり(いや、むしろ堂々と?)告げたのでした。そんなワケないですよね。恐らく、糖質オフの食事を心がける人のための配慮なんでしょうね。なんかホテルの朝食は卵白だけのホワイトオムレツにしてね~なんて言ってる、ちょっと意識高い系のスノビッシュなジェットセッター気取りじゃないですか。(あくまでイメージ)恥ずかしい・・・。
 
一瞬イングリッシュマフィンとライスを追加してもらうことも考えたのですが、既にもう待ちくたびれていたこともあり、今回はスノビッシュ気取りで(しつこい?)そのまま頂くことにしました。

◆ ハーフ&ハーフ・エッグベネディクト

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ハプニングはあったものの、お料理そのものは大変満足のいくものでした。主役のポーチドエッグは白身にぷるんと弾力があり、とろ~っと割って出る黄身はまろやかで濃厚ながら、くどくなく後味すっきり。オランデーズソースの酸味や塩気もちょうど良い感じ。

アメリカタイプのものに多い気がしますが、ベーコンの脂や塩気ががどっしり、そこに濃厚な半熟の黄身を絡めると、食べ終わったときにはねっとりテラテラと濃厚さが口内で後を引いてしまうようなタイプがあります。私個人としてはそういったジャンクな感じも嫌いではないですが、インパクト強すぎで暫くはもういいやとなってしまうのも事実。こちらのは後口がとても爽やかで、なおかつ美味しい卵料理をしっかり頂いた満足感もあるという、とてもスマートな印象のエッグベネディクト。もたれないので正に朝ごはん向きです。

アボカド&マグロ・エッグベネディクトの方は、初めての組み合わせとはいえ、サラダなどで既に相性良しは立証済みのところではありますが、オリジナルという麦味噌のソースがマグロとアボカド独特のねっとり感と相まって新鮮な味わいでした。きっとライスと一緒だったら更に素敵な組み合わせだったことでしょう…。
 
しかしながら、イングリッシュマフィンとライスの代わりに敷いてあったサラダも、十分に美味しかったのです!香りの強い野菜も入っていましたが、鄙びたような味わいの香ばしいピーナッツのドレッシングと共に存在感抜群。決して決してミスチョイスではありませんでした。

◆ メキシカン・エッグベネディクト
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「エッグセレント」さんは、店名にエッグとついている通り、卵に拘りをお持ちで、オーガニック卵として認定されている黒富士農場の卵をはじめ、ヨーグルトや麦味噌など無添加で安心な食材を積極的に取り入れられているようです。各テーブルにも食材生産地の説明プレートが配されていました。
 
かつて話題になったメニューの偽装や誤表示のように過剰な食材の修飾語に踊らされたくはありませんが、いいものを積極的に提供したいという思いや、そのために生産元の情報を提供する姿勢は、しっかり受け止めて食したい。食べる側として、提供されている情報はきちんと目を通したいと思います。

お会計後にお店を出ようとすると、お店のオーナーらしき女性の方が出てこられ、オーダーしたプレートが遅くなったことに対しての謝罪をして下さいました。サーブされるまでに時間がかかったことに対しては、実はそこまで気に留めてはいなかったのですが、きっと私たちのテーブル担当の方が事の顛末を自己申告されたであろうこと、更に責任者の方がきちんと対応してくれたことで、誠実なお店の印象が残り、とても気持ち良くお店を出ることができました。(調べてみたら、取締役COOの方ですって。どうりでオーラが際立っていらっしゃいました)

ごちそうさまでした。次回はマフィンとライス付のスタンダードタイプを頂くべく再訪します!

2015年6月某日の旅先:六本木「エッグセレント」さん
 

エッグセレント西洋各国料理(その他) / 六本木駅乃木坂駅麻布十番駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5