無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

神田「味坊」~熱帯夜はクセ者三昧で制す~

「何食べようか」と考える時に、結構いつでもウェルカムなのが中華料理とインド料理。和食もフレンチもイタリアンも勿論好きだけれど、夏は香辛料やスパイスの効いたこのジャンルについつい足が向いてしまいます。どちらも国土が広いので、地方色豊かな食文化を有していますが、特に蒸し暑い熱帯夜は、中国なら四川、東北や延辺地域、インドなら南の方の味が恋しくなります。

「味坊」さんは、改めて紹介するまでもない有名店ですが、東北部の郷土料理を中心とした料理が揃い、私にとっては羊・クミン・パクチーというクセ者を思い切り堪能出来る嬉しい場所でもあります。

1階も2階も混み合っており相変わらずの人気のようですが、今回は2階の壁側の席に。

◆ セロリの冷菜

まずは、これをつまみながら、冷たいビールで喉を潤します。大きめにカットされたセロリと人参と落花生を酢漬けにしたマリネのようなものですが、軽い酸味とパリパリの歯応えなのでサラダのような感覚で頂けます。
 
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◆ ラムの串焼き
このお店に来たら、何はともあれラムの串焼きを頂かずには帰れません!ラム肉のクミン炒めと、どちらにしようかいつも迷いますが、今日は串の気分。しっかりスパイスが効いた柔らかいラム肉を食い千切り、ひなたくさいような独特の風味に酔いしれつつ、ビールをぐびっと。
焼鳥ではそんなことないのに、ラムの串焼きを齧っていると、何だか悪いことをしているような気分になるのはなぜでしょう?ワケのわからない背徳めいたものを感じながらも、次の串に手が伸びます。
 
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◆ 羊肉の餃子
水餃子はプレーン、焼きの方はトマト入りです。(どちらも断面の写真を撮り忘れてしまい、伝わる美味しさが半減かもしれません)水餃子の方は、厚めのもっちり皮。羊肉の餡は脂っぽさがなく、ゴツゴツ肉々しい感じを味わえます。
 
神田味坊 (3)

他方、香ばしい焼き目のついた薄めの皮でみっちり餡を包んだ焼餃子は、齧るとトマトと餡の肉汁の旨味が溶け合い、歯応えもジューシー。餃子とビールの黄金コンビに勢いが止まりません。今日一日で失った水分を取り戻すかのように、ビールがどんどん吸収されてゆきます・・・。至福とはこのこと!
 
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パクチーサラダ
唐辛子とキュウリが入ったパクチーサラダですが、アタリ(?)の青唐辛子を引いてしまい、口の中が大火事。辛い、でもうま~い。きゅうりとパクチーのダブルの青臭さがクセになり、やめられない!
 
神田味坊

◆ 干し豆腐の炒め物
口の中を冷ますために、穏やかな味のものをお願いしました。旨味を吸って柔らかくなった干し豆腐は、こんなにペラペラなのに味わい濃厚。
 
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「味坊」さんではこんな炒めものや旨煮、炒飯など、穏やかな味つけの中華の定番料理も美味しいので、ラムやパクチーが苦手な方は、まずはこういったメニューから試してみるのも良いかもしれませんね。でも、美味しそうに羊肉を頬張っている周りのお客さんにつられて、ついそっちも・・・となってしまうかも。

◆ じゃがいもと叉焼の香菜あえ。
中華料理の定番であるじゃがいもの細切り炒め的なものを想像してオーダーしたのですが、まさかのフライドポテト(笑)。中華風ステックフリット?

神田味坊 (2)

こんな風に料理されたものを頂くのは初めてでしたが、カリカリに揚げられたじゃがいもは油切れ良く、パクチーの爽やかさも加わって、見た目に反してぺろっといけてしまう軽やかなお料理でした。
「味坊」さんは自然派ワインも揃っているそうなので、これはワインに合わせてもいいかもしれません。私はワインに関しては不調法で、いつもワイン好きの同席者のおすすめに従って美味しく頂くものの、自分で選ぶとなるとさっぱりで、こんなときお料理に合うワインを上手に選べたらいいなと思います。

お客さんがひしめく活気ある店内では、みんなモリモリ食べグビグビ飲んでいて、その熱気に煽られて、さらに食欲が増してしまい・・・嗚呼、夏バテで食欲がないなんて言ってみたい!
 
まだ制覇していない魅力的なメニューがたくさんあるので、夏の間に再訪しなくては。そして冬になれば羊鍋を頂く楽しみが…。今後も長いお付き合いになりそうです。ごちそうさまでした。

2015年7月某日の旅先: 神田「味坊」さん

味坊中華料理 / 神田駅岩本町駅淡路町駅
夜総合点★★★★ 4.0