無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

新宿「クロッカンシューザクザク」~旅の味は遠きにありて思ふもの~~

新宿で映画を観たついでにと、家人がお土産に買ってきてくれました。東京では「クロッカンシューザクザク」という商品名がそのまま店名になっていますが、もともとは札幌が誇る洋菓子店「きのとや」さんの人気商品です。私も去年札幌に遊びに行ったときに札幌大丸店で買い求め、ホテルに持ち帰って食べてからのファン。東京でも食べられるようになったと知っていたのですが、これは嬉しいお土産でした。
 
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なんといっても一番の魅力は、ザックザクのシュー。しっかりと焼き目のついたシューは、アーモンドの歯応えも楽しいクランブルのようで、砂糖もまぶしてありこれだけ食べても美味しい。一口目は敢えて先端だけを齧り、香ばしい皮目を楽しみます。ふた口目からは、なめらかで甘さ控えめなたまご色のカスタードクリームとの調和を存分に味わいます。軽快な食べ心地なので、一本なんてぺろりといけちゃうのですが、もう一本は冷蔵庫で冷やしておいて、クリームがやや冷え固まった状態で、また違った味わいを楽しむのも一興です。
 
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ふだんは毎日甘いものを頂くわけではありませんが、旅先では必ずその土地で甘いものを買い求め、宿泊先に持ち帰ることを、欠かさない習慣としています。お風呂も済ませてリラックスした夜に、持参したコーヒーを淹れながら宿泊先で「お楽しみ」のひとときを過ごすのが、旅先ならではの至福のとき。旅先では、慣れない土地でそれなりに気も張るのか身体が甘いものを欲するのでしょう、じんわりと舌に染みるその甘さがこの上ない口福を誘い、一日の疲れをふわっとほぐしてくれるような気がするのです。そのひとときは甘美な甘さと共に忘れ難く、より一層深く私の記憶の中に留まる旅の思い出となります。

旅先の地名と共に、記憶に結びつくお菓子は他にもたくさん。
広島「長崎堂」さんのバターケーキ輪島「中浦屋」さんの丸柚餅子堺「かん袋」さんのくるみ餅浜松「まるたや」さんのチーズボックス松本「マサムラ」さんのイチジクチョコも美味しかったなぁ。青森で買ったイギリストーストのような、ローカル感溢れるお菓子もインパクト大で忘れられません。
 
北海道は特に甘いものには事欠かず、「きのとや」さんだけでなく、六花亭」「ロイズ」「スナッフルス」「もりもと」など、それぞれの思い出がありますが、また食べに行きたい!と今もって強烈に願うのは、札幌千歳空港のスカイショップ小笠原で販売しているサクサクパイ六花亭さんとコラボした限定品だそうで、ハスカップチーズクリームをホワイトチョコで包んでパイでサンドしたお菓子です。注文してからその場でサンドしてくれるのですが、持ち帰りは出来ず、その場で頂くしかありません。サクサクのパイと甘酸っぱいクリームの組み合わせがあまりに見事で、一目惚れの出会い。搭乗時間がせまる中、思わずもう一つ買い求めてしまったほどです。

クロッカンシューのように、思い出の味を手軽に味わえるのはありがたいし嬉しいものなのですが、「あれをまた食べに行きたいな」と恋い焦がれる気持ちが、再会の喜びを倍増してくれるのも確か。募る思いを温めつつ、再びその地を訪れる楽しみとしてとっておく方がいいのかもしれません。
 
ごちそうさまでした。
 

クロッカンシュー ザクザク ルミネエスト新宿店洋菓子(その他) / 新宿駅新宿三丁目駅新宿西口駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0