嗤う淑女(中山七里)~読後所感~
※あくまでも個人的な感想です。一部作品のあらすじやテーマに触れている箇所があります。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。
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幼少のころからその美貌と話術で人をたらし込み、意のままに操るというダークヒロインミステリーで、イヤミス作家の中山七里さんらしいエロやグロの描写も満載。ここまで俗悪っぽいと、最早ミステリーというよりはノンストップエンターテイメントのようで、いっそ爽快な気さえします。まぁ、これはこれで…。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。
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幼少のころからその美貌と話術で人をたらし込み、意のままに操るというダークヒロインミステリーで、イヤミス作家の中山七里さんらしいエロやグロの描写も満載。ここまで俗悪っぽいと、最早ミステリーというよりはノンストップエンターテイメントのようで、いっそ爽快な気さえします。まぁ、これはこれで…。
それよりも気にかかるのは、男性作家の描く悪女はなぜ皆、容姿端麗・頭脳明晰といったお定まりのキャラクターになってしまうのかという点。ステレオタイプ過ぎて、周りの人がみんなあっけなく陥落してしまうほどの魅力が伝わらず、おとぎ話を読んでいるような気になってしまうのは、読み手である私が悪女の定義を理解していないからなのかもしれませんが。
桂望実さんの「嫌な女」や、櫛木理宇さんの「寄居虫女」など、女性作家の描く悪女作品においては、取り立てて魅力的とも思えないのになんだかわからないがちょっと憎めなかったり、彼女の深い闇にシンパシーを覚えてしまったりする不思議な魅力が描かれていて、勇ましくも一抹の哀しみを誘う、そんな女性が私のイメージする悪女像なのだけれど。
桂望実さんの「嫌な女」や、櫛木理宇さんの「寄居虫女」など、女性作家の描く悪女作品においては、取り立てて魅力的とも思えないのになんだかわからないがちょっと憎めなかったり、彼女の深い闇にシンパシーを覚えてしまったりする不思議な魅力が描かれていて、勇ましくも一抹の哀しみを誘う、そんな女性が私のイメージする悪女像なのだけれど。