無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

京都・無鄰菴、水路閣、そして次の旅に思い馳せ・・・

京都最後の観光は、無鄰菴です。これだけ京都に足繁く訪れていながら、無鄰菴を訪れるのは初めてだったのですが、どうしてももっと早く来なかったんだろう?と、ひどく後悔しました。

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こちらは枯山水ではなく回遊式庭園ですが、水面静かな池を中心とした一般的な造りとは違い、琵琶湖疏水のごとく流れる水の動きと音が楽しく、はるか向こうに見える東山を借景に、広々と開放的な気持ちになる庭園でした。

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傾斜や曲線、三段の滝など、動きがあり、落ち着いた趣の中に遊び心が見え隠れするようで、いつまでも眺めていたいと思う庭でした。京都の庭園・ベスト5に入るかも。あ~、またひとつ、お気に入りが増えてしまいました・・・。
 
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無鄰菴は、ちょうど「瓢亭」さんの隣に位置します。次回は、名物の朝がゆを頂いた後で、無鄰菴の庭を楽しむというコースを組んで、再訪したいと思います。

南禅寺
は何度も訪れていたので今回の観光からは外していたのですが、無鄰菴とは目と鼻の先。「ちょっとだけ・・・」と、今回は水路閣だけを再訪しました。

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今も現役で活躍中の琵琶湖疏水水路閣は、その古代ローマの水道橋を彷彿とさせる重厚な造りと、いい具合に退色した煉瓦の古さゆえに、古都京都の寺院とはまた違った趣の、歴史の重みを感じます。
 
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長く連なる橋脚の覗く眺めはお馴染みで、私も大好きですがが、更に水路閣の上に登って、琵琶湖からの流れを遡りながら辿ってゆくと、いつのまにかどこか遠いところへ出てしまうような、不思議な錯覚に陥る風景も好きです。
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いつもは蹴上の駅から行くところ、京都市動物園の脇を通って白川通りから向かったため、偶然発見したのですが、無鄰菴のそばに琵琶湖疏水記念館という建物がありました。琵琶湖疏水の事業の歴史を辿り、そのしくみを紹介している記念館だそうでして、小学生が社会科見学に来ていました。なんだか面白そう。次回の観光リストに入れておくことにします。
 
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名残り惜しいけれど、そろそろ引き上げ時。インクラインをそぞろ歩きながら、蹴上駅に向かいました。

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色々と食べ、見て回ったように思えても、京都を去る時は、いつも忘れ物をしてしまったような気分になります。平等院鳳凰堂も、新しくなってからはまだ行っていないし、京都国立博物館平成知新館や、リニューアルした京都市動物園にだって行ってみたかった。マンガ自体にはあまり興味なかったけれど、途中で見かけた京都国際マンガミュージアムの展示は面白そうだったな。「ひつじ」さんのドーナツや、「西冨家コロッケ店」さんのコロッケも買いたかったし、もう何回食べたかしれない「一和」さんのあぶりもちも、やっぱり外したくなかった…。
 
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「したこと」よりも、「しなかったこと」を数え上げてしまうのは、やはり一度の訪問だけではカバーしきれない、魅力に満ち満ちた街だからなのでしょう。こうしてまた私は、ほどなく次の京都旅行の計画を立てることになるのです。

2015年12月某日の旅先: 京都・無鄰菴南禅寺境内水路閣