無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

銀座「THE APOLLO(アポロ)」~馴染みやすいグリークフード~

東急プラザ銀座がオープンした際に、真っ先に注目したのがギリシャ料理「THE APOLLO(アポロ)」さんでした。レビューにも何度か書いているようにトルコ料理が大好きで、地中海沿岸地域で共通点の多いギリシャ料理にも好みの料理が多く、メジャーどころのタラマサラダ始め、フェタチーズを使ったサラダや、茄子を使ったムサカなどは、自宅でもたまに作るほど馴染みがあります。

「アポロ」さんは、家庭料理のイメージが強いギリシャ料理を、モダンにアレンジしたシドニー発のレストラン。コンクリートや配管がむき出しの開放感ある店内も、海外のレストランを思わせる造りです。今回はまずはランチをと、"THE APOLLO"のコースを頂いてみました。

プラトンズパンチ
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夏の最中の食事は危険ですね。桃とラズベリーピューレにライムが入ったカクテルがことのほか美味しそうで、ついオーダーしてしまいました…。

◆ イエローエンドウ豆のディップ
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アペタイザー3品のうちの一品。ひよこ豆で作られたトルコ料理のフムスよりも、穏やかな甘味があります。滑らかな口当たりと、豆のクセがあまり強く出ていないので食べやすく、豆ペーストが苦手な方にも馴染みやすいディップではないかと感じました。

◆ アポロオリジナルピタブレッド
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デリバリーピザのようにカートンケースに入れて供されるピタブレッド。たっぷりかかったオレガノが効いています。ふかふかで美味しい!

◆ グリークサラダ
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フェタチーズさえあれば簡単に作れるので、これは我が家の定番サラダでもあります。こちらでは、トマトもキュウリもごろっと大きめで、塊のままのフェタを崩しながら和えて頂きます。自分で作るときは、瓶詰めのフェタチーズを、大事に大事に使うので、こんなふうに豪快にはいきません(笑)。

◆ サガナキチーズ(コースには含まれません)
「アポロ」さの一番人気として紹介されていたサガナキチーズは、このコースには含まれていないので、アラカルトで追加しました。 
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もともとはサガナキパンという浅い鉄鍋でチーズをグリルする料理を指すらしいのですが、「アポロ」さんでは、それをレモンジュース&蜂蜜&オレガノの味付けでアレンジしているそうで、この魅惑的な3つの構成に、頂く前から興味津津。熱々のグリルパンの上には、こんがり焼き色がついたチーズが、そして周りにはレモンジュースと蜂蜜がぐつぐつ。テーブルに供されると、オレガノの爽やかな香りがふわりと漂います。
 
チーズはケファログラヴィエラという種類を使っているそうですが、火を入れても溶けないハードタイプで、ややキシキシとした弾力のあるむちっとした食感は、以前「カルタゴ」さんで頂いたキプロスのチーズ・ハルミにも似ています。まろやかなチーズのコクに、レモンジュースの酸味と蜂蜜の甘味が加わると、まるで新種のチーズデザートのよう。レモンジュースのソースが美味しくて、サガナキパンを下げようとするスタッフの方を制し、最後まで味わい尽くしました。

◆ アスパラガスとフローズンフェタチーズ(サイドディッシュ)
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サイドディッシュは他にグリーン野菜のスチームソテー、ベビーポテトのローストがあり、3種から1つ選ぶスタイル。凍らせたフレーク状のフェタチーズが、グリルされたアスパラガスの熱でゆっくり溶けて、しっかりとまとわりついています。

◆ ラムショルダー サジキソースとレモン
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ラム好きゆえ即決でしたが、メインは他に、豚肩ロースのグリル、ひな鶏BBQ、オージービーフの炭火焼き、飛騨牛の炭火焼きがありました。このラムショルダー、10時間煮込んだ後にオーブンで焼いたものだそうで、ほろりと崩れる柔らかさが秀逸でした。単純にグリルするよりもラムのクセがほどよく抜けていて、苦手な方も食べやすいのではと思います。多くの方が書かれている通り、かなりのボリュームに怯みますが、レモンをたっぷり絞り、ヨーグルトベースにキュウリ、ニンニク、レモンとオリーブオイルをミックスしたサジキソースをつけながらだと、さっぱりとした味わいに変化し、最後まで飽きずに頂けました。

◆ レモンパイ”アポロスタイル”
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デザートは他に、くるみとドライフルーツのパートフィロ包みルバーブのコンポートがありました。ルバーブ好きとしては、コンポートも気になったものの、やはり「アポロ」さんでしか頂けないレモンパイを。

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ものすごくざっくりと説明するならば、レモンカード(イギリス料理のひとつで、レモンバターカスタードクリームのようなもの)のクランブルがけ、メレンゲ添えといったところでしょうか。ジャムを常食しない私ですが、唯一自ら購入するのがレモンカード、そして、アップルクランブルなどのサクサクそぼろのかかったお菓子にはつい手が伸びる、という好物同士の組み合わせが、個人的にはツボでした。しかし、やはり海外発らしく、甘さもクドさもしっかりあって、シェアしたとは言え、一皿頂くのには苦労しました。

コースメニューを目で追っていた時点では、あっさりめのコースかと思っていたのですが、一皿のボリュームが多いので、満足感はかなりのもの。量的には海外で食事する時と同じくらいです。しかし、地中海料理はレモンやヨーグルトなどさっぱりした味付けも多く、野菜や豆などヘルシーな素材も多様していますし、エキゾチック過ぎないところが、日本人には馴染み易いのではと思います。

私自身も、やはり好みの味とたくさん出会えて満足です。次回はアラカルトで色々と頂いてみたいなと思いました。

ごちそうさまでした。 

THE APOLLO地中海料理 / 銀座駅有楽町駅日比谷駅
昼総合点★★★☆☆ 3.4