無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

福井県福井市「秋吉 福井駅前店」~地元で人気のチェーン店~

勝山から福井駅まで戻り、予約していたホテルで一休みしてから、駅前の「秋吉 福井駅前店」さんへ。こちらは、福井を中心に、北陸ではつとに有名な焼き鳥チェーン店なんだそうだ。

様々なメディアでの情報によると、焼き鳥や唐揚げなどのお店の鶏肉料理が家庭の食卓に日常的に頻出し、もはやソウルフードと化しているような地域は意外と多いものらしい。ここ福井でも「秋吉」さんの焼き鳥は、お店で食べる以外に、買って持ち帰り、家族で囲んで食べるということも多いのだそう。家族に鶏肉嫌いがいたため、自宅で焼き鳥なんて想像したこともなかった私は、こんな話を聞くと猛烈に羨ましくなる。家でも外でも愛さているという焼き鳥を食べてみたくて、夕食はこちらと決めていた。
 
福井駅前のお店の1階は、もうもうと煙を、そして時折炎を上げる焼き場とキッチンを囲むカウンターに、ずらりとお客さんが並んでいた。客の目の前には焼きあがったばかりの串が乗せられるステンレスの保温台があり、みな5本、10本と串を並べている。ひと串に刺してある肉が小ぶりなため、主なメニューは51セットというのが、このお店の焼き鳥の特徴らしい。

このあたりは
入念に予習してあったので、席に通されてからすぐに、食べたい串を5本単位でオーダーする。四方八方でオーダーの声が飛び交う活気ある焼き場だが、粗っぽいところがなく気持ちの良い接客で、地元客でない私たちもすんなりと溶け込める感じがうれしい。
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実際にカウンターに座ってみると、焼き台に並ぶ串数や油で火があがる様子に気圧されるが、煙はまっすぐ焼き台の上のダクトに吸い込まれていくので、カウンターはもちろん店内も意外と煙たくはない。油染みた匂いもしなくて、こざっぱりとした印象だ。

◆純けい(鶏・塩焼)
この店イチオシの焼き鳥が、雌の親鳥である純けい強い火力で短時間で焼いているので、表面が香ばしくて中はふっくらしているのだけど、小ぶりなので全体的に程よい噛み応えもある。ふにゃっとした柔らかい食感が苦手は私にとっては、このくらいの弾力感がちょうどいい塩梅だ。
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ねぎま(塩・タレ焼)、ピートロ(みそ焼き)
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すぐに焼けるのでオーダーしても待たされない一方で、保温プレートのおかげで一度に5本単位で供される串も冷めにくいため、食べ急ぐ必要がないのが有難い。店内を眺めていると一人客も多く、のんびりビールを飲みながら串を頬張る人、ごはんや汁物と一緒に夕食を済ませている感じの方もいて、あぁそういうもんなんだなぁと妙に感じ入った。焼き鳥の味だけでなく、手ごろな価格、敷居が低くてざっかけない店内の雰囲気なんかも、地元民に親しまれるチェーン店の理由なんだろう。

◆あか(レバー・タレ焼)、牛カルビ
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肉の質も味付けも、たまげるほど美味しいというのではなくて、でも安心感を呼ぶ「ザ・焼き鳥」の味だ。おのおのの串は塩やタレの下味付きだが濃い味付けではないので、焼き鳥を食べているはずが、味の濃さゆえにお酒ばっかり進むという事態にならないのもいい。

◆キューリ
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とはいえ、肉ばかりが続けば
飽きてしまうのは致し方なく、そんなときの絶妙な合いの手がキューリ。うっすら下味のついた水気のあるきゅうりが清涼感をもたらし、口の中をさっぱりさせてくれるので、また次の新たな串に挑める。野菜類はほかにキャベツトマトもあったが、私はこれがいたく気に入った。

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ひとつひとつの肉は確かに小ぶりではあるが、よく噛んで頂くからか、予想よりも早めにお腹一杯になって、結局頂いたのは一人25串ぐらいだろうか。

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存分に堪能して外に出てみれば、駅前広場のフクイティタン(福井で発掘された恐竜)のモニュメントが、福井駅の壁画を背に、首をもたげながら吠えていた(ホントに動くのだ)。信号機のピヨピヨ音響と相まって、シュールなことこの上ない。つくづく面白い街だなぁ、福井。

ごちそうさまでした。

秋吉 福井駅前店焼き鳥 / 福井駅福井駅新福井駅
夜総合点★★★☆☆ 3.2