無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

代々木「山水楼」~頼れる町の中華屋さん~

毎日大さじ1杯の酢を摂ることで、肥満気味の人の内臓脂肪を減少させる効果があるんですって…。そんな呪文を唱えながら、代々木の「山水楼」さんにふらり立ち寄りました。

代々木駅を出てから30秒もかからない驚異的な近さは、この季節には大変ありがたい。いい意味で素っ気ない感じの接客も、カンカンとお玉で中華鍋をかき回す音も、いつ行っても変わらない、由緒正しい町の中華料理店のあるべき姿。そして、どんなに食欲がなくともたくさんのメニューに食欲中枢が刺激され、どれを食べても安定感のある美味しさ。私にとってはそんなお店です。

とは言え、私の場合、「山水楼」さんを訪れる目的は、ほぼ間違いなく酸辣湯麺を食べたい時。大抵の中華料理店では酸味が控えめに作られている酸辣湯麺、いつも私はじゃばじゃばと酢を加えるのですが、「山水楼」さんのそれは、エッジの立ったすっぱ辛さがたまらないのです。

◆ 酸辣湯麺
大きめの丼に張られたスープ自体は、さっぱりとした中華料理屋さんの醤油味。短冊の豆腐とかきたま状の卵が入った餡がたっぷりかかり、オレンジ色のラー油が目に眩しい。いただきます

この麺を食べている時には、冬でもタオルハンカチは欠かせません。湯麺ですからただでさえ熱いのですが、あんのとろみでスープが冷めにくい上に、「酸」と「辣」の効果も加わって、ふた口目くらいから早くもじんわり額に汗が浮いてきます。麺にもあんがしっかりと絡みつき、一口啜るたびに口の中に酸味と辛味がぶわ~っと広がり、瞬く間に喉をかけ下りていきます。熱い!酸っぱい!辛い!ウマ~い!

たぐってもたぐっても丼の底が見えず、とめどなく流れる汗を拭いながら、果てしない闘いに挑むかの如く一心不乱に箸を持つ私は、りっぱな酸辣ジャンキー。我ながら鬼気迫るものがあります。しかし、食べ終える頃には、お腹の中までぽっかぽか、スポーツの後のような爽快感さえ覚えます。こんな痛快な気分を味わえるお料理、他にあるかしら? 

◆ 揚げ餃子
この日は同席者とシェアして、揚げ餃子も頂いてしまいました。こんがりクリスピーに揚げられた大ぶりの餃子に、濃度こいめの甘酢あんがかかっていて、これも他ではなかなかお目にかかれない餃子ではないでしょうか。
とにかく餃子がパイのようにサックサクで、甘酢あんが染みてもちっともへこたれない存在感。肉餡自体も生姜が効いていて、野菜の水気もしっかり切られたシャープな味わい。一皿6個ですが、1つで2つ分くらいのボリュームがあるので、3つも食べればお腹いっぱい。

今日も今日とて食べました。どれだけ酢の効用があっても、これじゃ焼け石に水だ・・・。写真を撮るのもすっかり失念してしまいましたが、あぁ、今日も美味しかったぁお店を出たら電車に飛び乗って、さっさと家に帰って汗を流すことにいたしましょう。
 
ごちそうさまでした。

2015年7月某日の旅先: 代々木「山水楼」さん

山水楼中華料理 / 代々木駅南新宿駅北参道駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5