無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

青森・十和田市へ

少し前のことになってしまいますが、青森旅行の記録をまとめておきたいと思います。この時は、青森県内の美術館2か所(十和田と青森)と、三内丸山遺跡を巡り、弘前を散策する旅でした。少々欲ばって詰め込んだ感がありますが、新青森までの新幹線が開通したからこそ可能な日程です。

いつもは張り切ってものすごく早い便で東京駅を出て、現地に9時頃には到着しようとするのですが、今回1日目の目的地は十和田市現代美術館だけなので、少しゆっくりめ。9時台発の「はやぶさ」で移動です。せっかくのんびり出発ならば、これまではオープン前の時間で入店出来なかった東京駅構内のお店で、朝ごはんを食べてからいこうと、一食分もムダにしない食べ歩きを目論む私。

朝7時半からオープンしている「仙臺たんや 利久」さんで、東京駅限定とされている牛たんカレー定食を頂きました。私には少々甘めだったものの、野菜や果物の甘味が感じられるカレーです。朝食用とあって、辛さも控えてさらっと胃に優しいタイプに仕上げているのでしょうね。牛たんは細かく刻まれてあってあまり存在感を感じませんでしたが、量的にもお値段的にも十分ではないかと。何よりもささっと食べれられるのは、慌ただしい出発前にはとても助かりました。ごちそうさまでした。
 
予定通りの新幹線で、12時過ぎに七戸十和田で下車。十和田市を訪ねるのは2009年以来二度目ですが、前回はまだ青森までの新幹線が開通しておらず、八戸で降りてから車で1時間くらいかけて十和田市に入りました。まだまだピカピカの新駅・七戸十和田駅が出来たお陰で、十和田市内へのアクセスがぐっと便利になりました。

十和田市内に移動すると、もうお昼時。まずは腹ごしらえです。(またって言った?笑)ここでのお目当てはバラ焼き。前回十和田市に来た際には、現代美術館鑑賞後に奥入瀬渓流ホテルまで移動しなくてはならず、滞在できる時間が限られていたため、泣く泣く諦めたのです。5年以上経っているので心配でしたが、当時下調べしてあった「馬肉料理 吉兆」さんは今も健在でした。

バラ焼きとは、醤油ベースの甘辛いタレで下味をつけた牛バラ肉と玉葱を鉄板で焼いて食べるお料理で、2009年当時は郷土料理として紹介されていたのですが、今や十和田市のご当地B級グルメとして、積極的に売り出されている模様です。
 
もともと十和田市は馬肉の産地で、この辺りの方も日常的に馬を召し上がる習慣があるそうです。「吉兆」さんは隣接した精肉店で馬肉販売もされていて、お店のメニューも牛バラ肉だけでなく、馬肉を使ったバラ焼きがあり、馬肉好きの私は一も二もなく飛びついてしまった次第。
 
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運ばれてきた馬肉バラ焼き定食は、豪快に切られた玉葱とピーマン、綺麗なルビー色の桜肉。ご飯とお味噌汁がつきます。鉄板に広げるとジュウジュウと音を立てて火が通り、すき焼きの割り下のような食欲をそそる香りが漂います。火が通っても馬肉は柔らかさを保ち、すっかりしんなりとなった玉葱と共に頬張ると、あぁ、日本人のDNAに訴えかけるこの甘辛味!この後に美術館鑑賞が控えていたのでガマンしましたが、ビールでぐびっといきたかった…。

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タレがもともと少し甘めなところに更に火が通った玉葱の甘味も加わって、私としてはもう少し辛味が勝っているほうが好みでしたが、ご飯が進む味付けであることは間違いありません。また、玉葱が想像以上に多くて、最後は肉よりも玉葱が残ってしまいましたが、どうやらバラ焼き黄金比率は、肉:玉葱が1:1.5と言われているそうなので、これで正解なのかな?

お昼時だったこともありますが、地元の方らしき男性客が次々やってきて、バラ焼きや、さしみとのセット定食などを注文されていました。地元の頼れるパワーランチスポットなのでしょうね。後ろの席の男性が頼んでいた馬肉ハンバーグ定食も美味しそうだったな…。ともあれ、約5年越しでバラ焼きを味わえて感無量です。

ごちそうさまでした。