無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

有楽町「はまの屋パーラー」~朝一番が、パラダイス~

久しぶりの朝ごはんシリーズ、この日は有楽町の「はまの屋パーラー」さん
 
お店のHPで紹介されている通り、2011年に閉店した前身を引き継いで、名物バナナジュースなどの当時のメニューの一部と共にリニューアルしたお店です。ミルクチョコレート色の革張りのソファや、銀のシュガーポット、ペーパーナプキンなど、「パーラー」らしい味のあるレトロな内装も魅力。

昔日比谷に勤めていた父から教わったお店ですが、日比谷・有楽町近辺で朝から営業している居心地の良い喫茶店を他に知らないので、もっぱら日比谷で映画を観る前の朝食で利用させて頂いています。 
 
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この日頂いたのは、トーストサンドにしてもらった玉子サンドウィッチとフルーツサンドのハーフ&ハーフ。軽い塩味の玉子焼きは見た目のボリュームに反してあっさりと食べやすく、サクサクのトーストのおかげで軽快な食べ心地です。シンプルで重たくないのにきちんと腹もちもよくて、朝食にはうってつけです。
 
フルーツサンドも、軽めのクリームにバナナ、みかん、黄桃といったすっきりしたフィリングで、家庭で作るようなフルーツサンドに近い、派手派手しさはないけれど優しく郷愁をそそる味わい。お店の雰囲気とも相まって、喫茶メニューらしい折り目正しさを感じます。もっと軽めで良い日は、シナモントーストもおすすめ。

はまのやブレンドも、喫茶店らしい苦みと酸味のバランスが良いコーヒーで、朝の一杯に最適。店員さんも丁寧な物腰ときびきびした動きで、気分良くモーニングが楽しめるのも、こちらに通う理由の一つです。

とにかく佇まいもメニューも大好きなお店ですが、残念ながら「はまの屋パーラー」さんに伺えるのは朝イチだけ。というのも、基本的に喫煙OKのお店なので、喫煙者のおじさまたちのオアシスと化した日中は、店内モクモクになってしまうのです…。こういうところも、古き良き喫茶店らしさと言えるのかもしれませんが。ランチタイムの2時間は全席禁煙といえど、紫煙の残り香はどうしても気になってしまうので、今のところ朝の時間帯以外にお邪魔するのは控えています。

コーヒー好きとして、喫茶店と喫煙席の関係は、結構悩ましいところがあります。昔喫煙者だった私でさえ、吸っている本人以外の煙の匂いが良いものだとは思えず、喫煙席の煙を嫌う人の気持ちに賛同する者ですが、どんどん喫煙スポットが減っていく中、コーヒーを飲み煙草をくゆらしてほっと一息つきたい喫煙者にとって、喫煙可の喫茶店はパラダイスであろうこともよく分かります。(でも、神保町「伯剌西爾」さんのように、喫煙席の方が趣ある良い雰囲気だったりすると、ちょっと恨めしい気持ちにも…。)

でもまぁそこは割り切って、とりあえず「はまの屋パーラー」さんでは、開店直後でお客さんも少ない9時に伺って、映画の始まる10時前後までの"朝だけパラダイス"の時間を、引き続き楽しみたいと思います。
ごちそうさまでした。

2015年8月某日の旅先: 有楽町「はまの屋パーラー」さん

はまの屋パーラー喫茶店 / 有楽町駅日比谷駅銀座駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0