八王子「奥芝商店」~約10年越し、三度目の正直~
大好きな安野光雅さんの展覧会が7月末から八王子・夢美術館で開催されることをいち早く知りながら、9月のこの日まで鑑賞を日延べしていたのは、ひとえに「奥芝商店」さんのスープカレーを美味しく頂くための、相応しい気候を待って出掛けたかったからなのでした。
11時の開店時刻に合わせて出掛けたのですが、中央線がやや遅れ、10分前にお店に到着した時には既に5組の先客が。自動予約受付機(正式名称はなんていうんでしょうね?)に必要事項を入力して受付票を取って待ちます。お店の前で待っていると、換気口から漂ってくる芳しい海老の香りに思わず鼻をうごめかせてしまいました。お腹の準備はもう万全!
開店と同時に入店。入口で靴を脱いで、履物に履き替えます。無事に着席は出来たのですが、こちらのお店ではオーダーを受けてからスパイスを炒めて具材を煮込むスタイルで、スープを同時に作れるのが6杯までなんだそうです。お店の方からも「少しお時間頂きます」との一声があり、6組目で9杯目以降の調理順となった私たちは、「効味」と呼ばれる突き出しを頂きながら暫しガマン。この待ち時間もちゃんと計算に入れてお腹を空かせなくてはいけませんね…。
◆ 効味(突き出し)
スープカレーを頂く前に、食欲増進のための薬膳スパイスを絡めた突き出しが供されます。この日の食材はこんにゃく。八王子の蒟蒻店「なかの屋」さんのパンフレットが置いてあったので、恐らくこちらのお店のものなのでしょう。「プリッ」と「もちっ」の中間のような噛みごたえの蒟蒻に、甘辛味のスパイスがしっかり染み込んでいて、これをアテに一杯いけちゃいそうな一品でした。
◆海老スープカレー
入店してから30分ほどでスープカレーが運ばれてきました。
同店初体験の私のチョイスは、海老だしベースの「エビスープ」+「海老の宝石箱」(海老4種と岩海苔)と海老でまとめてみました。無料トッピングは「レンコン」、辛さは4、ご飯は普通盛り(200g)の玄米を選択。空腹MAXだったので、熱々の状態で運ばれてきたスープカレーの器から立ちのぼる、海老とスパイスの香ばしい香りに陶然となりました。
なにはともあれスープをひと口すすれば、甲殻類出汁の独特な濃厚なうまみが口いっぱいに広がり、各種スパイスの辛みがじんわりと追いかけてきます。生クリームも入っているとのことでしたが、乳製品のコクよりも海老自体のコクが断然勝っていて、エビスープの名に偽りなし!
ソフトシェルシュリンプ、ゆで海老、フライ、つみれのフリッターと海老尽くしで、今年一番海老を摂取した日だと言っても過言ではありませんが、プリプリ、サクサク、ふわふわ、と海老のそれぞれの歯応えの違いが楽しめるので、食べ飽きません。
ソフトシェルシュリンプ、ゆで海老、フライ、つみれのフリッターと海老尽くしで、今年一番海老を摂取した日だと言っても過言ではありませんが、プリプリ、サクサク、ふわふわ、と海老のそれぞれの歯応えの違いが楽しめるので、食べ飽きません。
具材は海老だけではなく、その下に潜む野菜もたっぷり。食べ進むごとにキャベツ、茄子、人参、ピーマン、かぼちゃ、卵…と現れて来るので、食べても食べても減らないような感覚です。海老出汁自体の甘みに野菜の甘みが加わるので、辛さはもう1、2段階辛くても良かったかもと思いました。
スープを適度に吸いつつも、おじや状態にならない適度な硬さの玄米が好相性で、添えられたレモンをかけると更にさっぱりと頂けます。お腹が空いていたので普通盛りにしましたが、玄米は噛みごたえがありますから、小盛り(150g)でも十分だったかもしれません。
スープを適度に吸いつつも、おじや状態にならない適度な硬さの玄米が好相性で、添えられたレモンをかけると更にさっぱりと頂けます。お腹が空いていたので普通盛りにしましたが、玄米は噛みごたえがありますから、小盛り(150g)でも十分だったかもしれません。
◆9月のスペシャルカレー(エンチラーダ)
同行者は、ワカモレを添えたエンチラーダが乗ったスープカレーを、トマト味のチキンスープでオーダー。スープを味見させて貰いましたが、海老に比べるとすっきりとシャープな味わいで、これまた違うタイプの美味しさ。辛さは5、ご飯は玄米小盛り(150g)でしたが、スープを吸ったトルティーヤ皮が食べ応え十分で、ご飯の量はこれで丁度良いくらいだったそうです。辛さは、もっと辛くても良かったかもとのことでした。
スープカレーの美味しさは、スープ本体の美味しさとスパイスの風味に加え、具材がその旨味をスープに溶け込ませながら、尚且つスープの旨味もたっぷり吸っているという、スープ+具材+スパイスががっちり手を組んでいるところにあると思っています。たまに「カレー味のスープと茹で野菜」のようなバラバラな印象のスープカレーに出会って違和感を感じてしまうのですが、「奥芝商店」さんのそれは、味わい深いスープに具材の旨味とスパイスの風味が幾重にも絡み合った形容しがたい奥行きで、これぞスープカレーと呼びたい一杯でした。
スープカレーのもうひとつの魅力は、スープ×具材×辛さの組み合わせです。「奥芝商店」さんにも、薬膳チキンスープ、角煮&大根、厚切りベーコン&キノコなど、スープ・具材・トッピングの選択肢がたくさんあって、とても一度では味わい切れません。リピーターの方は、この無限大の組み合わせにも魅かれて、足繁くお店に通われるのでしょう。
実は「奥芝商店」さん、これまで2回訪問を試みながらも縁がなく、今回3回目にしてやっと入店を果たしたのでした。1回目は札幌本店が出来たばかりの頃、札幌旅行の折にと目論見ながら、どうしても滞在中のスケジュールが合わず断念。東京・八王子への進出を知って、八王子美術館で開かれた展覧会を観た帰りに挑戦した2度目は、あまりの長蛇の列に撃沈。「奥芝商店」さんの人気を見くびっていた我が身を反省しつつ、このたび晴れて雪辱を果たしました(笑)。
スープカレーのもうひとつの魅力は、スープ×具材×辛さの組み合わせです。「奥芝商店」さんにも、薬膳チキンスープ、角煮&大根、厚切りベーコン&キノコなど、スープ・具材・トッピングの選択肢がたくさんあって、とても一度では味わい切れません。リピーターの方は、この無限大の組み合わせにも魅かれて、足繁くお店に通われるのでしょう。
実は「奥芝商店」さん、これまで2回訪問を試みながらも縁がなく、今回3回目にしてやっと入店を果たしたのでした。1回目は札幌本店が出来たばかりの頃、札幌旅行の折にと目論見ながら、どうしても滞在中のスケジュールが合わず断念。東京・八王子への進出を知って、八王子美術館で開かれた展覧会を観た帰りに挑戦した2度目は、あまりの長蛇の列に撃沈。「奥芝商店」さんの人気を見くびっていた我が身を反省しつつ、このたび晴れて雪辱を果たしました(笑)。
電車に乗ってしまえば乗り換えなし1本で行ける場所にあるというのに、なぜか近くて遠い場所八王子。用向きのついでにではなく、次回は「奥芝商店」さんに行くことをを目的にして、八王子に足を運びたいと思います。
ごちそうさまでした。
2015年9月某日の旅先: 八王子「奥芝商店」さん
奥芝商店 八王子田代城 (スープカレー / 八王子駅、京王八王子駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.0
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