仙川「ドーナツ工房 レポロ」～大事なとこでは自己主張！～

ドーナッツならば、イースト発酵のベーカリータイプが好きです。わざわざ買いに行くほど好きなのは代々木上原「ハリッツ」さんで、チェーン店だったら「ドーナッツ・プラント」さんのベーカリードーナッツ。油を感じさせないふわっとした口当たりで、パンのように空気を含んだきめ細やかな噛み応えのあるタイプが好みです。

仙川にある「ドーナツ工房 レポロ」さんは、HPの「油を極力吸わせない生地製法」による「歯切れの良い、ふんわりとした食感」という商品紹介の一文に、これ、私向きかも…と気になっていたお店です。SW中も営業されていたので、実家に寄るタイミングに合わせ、手土産と称して買いに行ってみました。

メニューは、一番のお勧め「プレーン」を始めとする定番に加え、季節によってラインナップが変わるそうです。この日は全13種が並ぶ予定でしたが、開店時間の11時にはまだ出来ていないものも。あれこれ味見が出来るよう、両親と家人の4人で半分ずつを頂くことにして、7種を購入してみました。

◆プレーン

パウダーシュガーがかかったシンプルなタイプですが、ドーナツ自体の美味しさが味わえます。ふんわりの後にやってくる食感は、さっくりともっちりの中間で、油の気配が全く感じないくらい軽やか。

◆シナモン

これまでの人生で食べてきたドーナツの中で、究極の甘さ控えめタイプでした。この甘さ加減はちょっと珍しいかもしれませんが、私的にはこのくらいがvery welcomeで、嬉しい驚きでした。甘さが抑えてある分、シナモンの風味が一層際立っています。

◆全粒粉とくるみとレーズンのシナモンドーナツ

同じシナモン味のドーナツでも、こちらは全粒粉の風味、くるみの香ばしさが相まって、もっと日なたっぽい素朴な味わい。レーズンが入っている分甘さも加わっていますが、これが良いアクセントです。

◆くるみとバナナ

手にとっただけで感じるのが、濃厚なバナナの香り。HP曰く「バナナピューレとバナナフレークを配合したバナナ感満載の生地の中にセミドライバナナとくるみを練り込」んであるそうで、バナナブレッドのイメージに近いのですが、こちらも甘さ控えめ＋ヴァローナココアの苦みも加わって大人っぽい味です。

◆3種のナッツとヘーゼルナッツチョコ

とにかくトッピングのナッツ（マカダミア、くるみ、アーモンド）がふんだんで、豪華絢爛な一品。今回買った中で一番クドそうと思いきや、チョコレートの穏やかな甘みとナッツの香ばしさに負けないドーナツの存在感があり、甘さやクドさ以前に、チョコレートとドーナツの相性の良さを感じました。これを一番初めに味見したのですが、皆「美味しい！」と感想が一致して、後に続くドーナツへの期待が一気に高まりました。

◆ブルーベリーチーズケーキ

全員が「おおっ！」と声をあげた一品。ブルーベリーは、生で頂くと美味しいのにジャムにするとやたらと舌に残る甘さが苦手でしたが、これは糖度の低いブルーベリージャムとフレッシュベリーを使用されているそうで、ブルーベリーの独特の酸味と渋い甘みが活きた希有な味わいでした。クリームチーズも入っていて、正に「ブルーベリーチーズケーキ」味なのですが、後味がとてもすっきりしていました。

◆ラムレーズンとクリームチーズ

滑らかなクリームチーズの酸味と、ラム酒漬けのレーズンの風味が間違いのない組み合わせで、これも甘さ控えめ。フィリングタイプの中では一番気に入り、いつでも食べたいと思える味でした。

7種全てを頂いて一貫した印象は、とにかく甘さ控えめで軽やかな食べ心地。ですが、それはヘルシー志向におもねるというようりも、むしろドーナツ自体の美味しさを追求した結果のように思えます。特に、プレーンを頂いてみると、「これがウチのドーナッツ！」という主張が伝わってくるようで、お店の目指している味がよくわかりました。

プレーン以外に関しても、まずはドーナッツありき。フィリングやグレーズはドーナツを覆い隠すものではなく、あくまでも脇役としてドーナツを引き立てています。なので、食べ終えた後に残る印象は、フィリングやグレーズではなく、ドーナツの存在感。半分ずつの味見でも、どれもしっかりした満足感が得られました。また、幾つかは食べきれず翌朝頂いたのですが、硬くならず、ふわふわ感が健在なのにも驚きました。甘さや油は控えめでも、ポリシーと存在感はばっちり、なドーナツでした。

この日は買い控えた豆乳、ピーナッツきなこクリーム、コーヒー＆ホワイトチョコなど、他にも種類がたくさんあったので、また近々再訪して味見してみたいと思います。ごちそうさまでした。

2015年9月某日の旅先：　仙川「ドーナツ工房 レポロ」さん

ドーナツ工房　レポロ （ドーナツ / 仙川駅、つつじケ丘駅）
昼総合点★★★☆☆ 3.5