松本「おきな堂」~名実ともにレトロなお店~
今回は1泊2日で泊まりに行ってゆっくりするだけ。当初はそう考えていたのに、せっかく行くんだしお昼は現地で…という相変わらずの意地汚さが出てしまい、午前中の「あずさ」で東京を出発しました。
曇り空で風もあり、涼しくて助かったと思いながら歩く、松本の空の下。松本城の方向に向かって目指すは、洋食屋「おきな堂」さんです。若菜晃子さんの「地元菓子」という本の中で、松本のお菓子と共に紹介されていたお店で、昭和の始めにお菓子屋さんの喫茶部としてスタートし、その後洋食屋さんに移行したという歴史にも、松本では深志高校生御用達のお店として知られているというエピソードにも興味が湧いたのでした。
チキンカツが載ったライスにチキンカレーがかかった「バンカラカツカレー」なるものが有名らしいのですが、豚カツの気分だったので、今回はヒレカツカレーにしました。越前名物「ボルガライス」にもちょっと心奪われたのですが、ご当地名物は発祥地の福井に行った時のお楽しみに取っておくことに。代りに、こちらも名物とされるオムライスをオーダーして、同行者と半分ずつ頂くことにしました。
◆ヒレカツカレー
「ライスカレー」と呼びたくなるステンレスのオーバル皿が、レトロなこのお店の雰囲気にぴったり。薬味のピクルスにらっきょうが入っているのも、昔ながらのカレーという雰囲気に華を添えています。
カレーのルウは、昔懐かしいと評されるようなシャバシャバカレーで、スパイシーで、甘みもあり、ほんのり酸味もある不思議な味わいで、今までに食べたことのないこの妙味にハマりました。思い起こすにつけ、ちょっと形容しがたい個性がよみがえり、後々までこれほど印象に残るとは…意外な出会いでした。食感自体はとても軽やかで、柔らかくあっさりとしたヒレカツと共に、するりとお腹に収まる一皿でした。
カレーのルウは、昔懐かしいと評されるようなシャバシャバカレーで、スパイシーで、甘みもあり、ほんのり酸味もある不思議な味わいで、今までに食べたことのないこの妙味にハマりました。思い起こすにつけ、ちょっと形容しがたい個性がよみがえり、後々までこれほど印象に残るとは…意外な出会いでした。食感自体はとても軽やかで、柔らかくあっさりとしたヒレカツと共に、するりとお腹に収まる一皿でした。
◆オムライス
トロトロ卵の今どきオムライスとは一線を画す、香ばしく焼き目をつけた玉子焼風に褐色のデミグラスソース、とこれまたレトロな一皿です。中身も然り。ご飯と同量かと見紛うほど玉葱と鶏肉がたっぷり入っていて、チキンライス然とした佇まいが期待を裏切りません。こちらも小ぶりなので、ペロッといけました。
◆プリン
食後は、名物の手作りプリンを丁寧に淹れられた珈琲と共に。母が昔作ってくれていたプリンにそっくりで、懐かしい味でした。 流行りのなめらかとろとろプリンはクドくて苦手なのですが、こちらの硬めの蒸しプリンはきちんと卵の味がして、とても美味しかったです。
「時代遅れの洋食屋」と謳うレトロなお店の雰囲気は、単なる観光地仕様のポーズではなく、メニューや味はもちろん、食器、カトラリー、内装の細部に至るまで個性がよく現れていて、こういう一貫したスタイルを持つお店は結構好きなタイプです。旅の記憶に残る味を頂きました。
ごちそうさまでした。
ごちそうさまでした。
2015年9月某日の旅先: 長野県松本市「おきな堂」さん