お引っ越し（真梨幸子）～読後所感～

※あくまでも個人的な感想です。一部作品のあらすじやテーマに触れている箇所があります。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。

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お引っ越し [単行本]

真梨 幸子

KADOKAWA/角川書店

2015-03-28

新居の内覧に来た女性が見つけた壁の画鋲穴や奇妙な非常口、いつまで経っても見つからない引越荷物、誰も住んでいない隣室から聞こえる音など、引越にまつわる恐怖を描くホラー連作短編集です。

物件自体に潜む謎だけでなく、引越作業によって封印されていた秘密が解かれたり、陰湿な人間関係が露わになったりと、心理的な恐怖も描かれるのですが、どれも力技でこじつけたようなオチに違和感を感じてしまい、残念ながら背筋に冷たいものが走るほどのインパクトは感じられませんでした。

しかし、イヤミス要素は健在で、カニバリズムを扱った作品以外にも食べ物が象徴的な形で登場する作品が多く、その描写の気色悪さに食欲も失せます。イヤミス・ダイエットとして活用できるかも…？

★ 真梨幸子さんの他作品に関する読後所感
「アルテーミスの采配」