無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

吉祥寺「听屋(ポンドヤ)」~吉祥寺肉スポットがまたひとつ~

自分が暮らす街だけでも家の建替えや店舗の変化がめまぐるしく、「ここ前は何があったっけ…」となる有り様なのですから、ちょっと賑やかな街なら尚更です。吉祥寺も頻繁に通りがかってはいるはずなのに、普段あまり通らない道をゆくと、見慣れない風景に出くわして面食らうことがあります。

吉祥寺南口、かつての名喫茶「ボア」があった通りは、いつも使うルートに含まれていないので、ことさら記憶が曖昧でした。この日伺った「听屋(ポンドヤ)」さんの店構えはとても新鮮に感じられるのに、以前何が建っていたのかすら、もう記憶にないのでした。こうなるともはや、「街の風景あるある」ですね。

閑話休題「听屋(ポンドヤ)」さんは、最近よく見かけるようになった量り売り形式で、ステーキやハンバーグのグラム数を選んで食べることができるお店なのだそうです。メニューを見ると、ハンバーグは1g7円、黒毛和牛の赤身が1g10円、霜降りだと1g18円換算で、100g~450gのレンジであれこれ選べるようになっていました。なるほど、わかりやすい。
 
目玉焼きチーズ、ガーリックなどのステーキトッピングや、ディップ、肉と共に頂くタパスココット料理なども充実していて、ビールと1,2品を軽くつまみ、お腹具合に合わせた量のステーキを頂くというように、構えず気楽に肉を楽しめそうなお店です。

…と、ここまで書いておきながら何ですが、この日はあまりガッツリ頂く予定ではなかったので、ランチメニューの中からオーダーしました。

◆ 听屋の焼きしゃぶ丼
肉の丼物は、ご飯の量に反して肉が薄っぺらいと、しょぼーんとなってしまう危険を孕む要注意メニューなのですが、メニュー写真のビジュアルに惹かれてオーダー。

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メニュー名が「焼きしゃぶ」なので、しゃぶ肉スライスを想像していたのですが、予想に反して厚みがあり、きちんと肉を食べている実感がありました。ミディアム・レア程度に火が通った霜降り肉は、しっとりとした食感でサシの甘みも感じられます。ポン酢風味のタレでさっぱりと頂きつつ、卵をとろりと絡めるとまろやかな味も堪能出来て、お肉を頂いた満足感も、丼ならではの楽しさも味わえる一品でした。

◆ 听屋ハンバーグ200gデミグラスソース
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ハンバーグは牛100%で、ごろっとした肉肉しさが楽しめるタイプです。ソースは、酸味&甘味が前面に出たトマト風味で、デミグラスソースと聞いて想像するコクとはちょっと違うような…。サイドに添えられた半切りの玉葱は、スープでじっくり煮込まれたもので、とろける食感と甘みが抜群。ランチメニューには、この玉葱を煮込んだ時のスープと、ミニサラダ、ライスがつきます。

お店のスタッフの方が明るく丁寧で、気持ちの良い接客が印象的でした。私はセットのライスが出るお店では予め量少なめでお願いするのですが、「听屋」さんのように、「このくらいで宜しいでしょうか?」とサーブする前に、わざわざ確かめに来て下さるのは珍しいことです。会計時にも別の方が、「量はちょうどよかったですか?」と声をかけて下さり、お客さんとしっかりコミュニケーションがとれるお店なんだなぁ、と感じました。

吉祥寺での肉ランチというと、「葡萄屋」さん「サトウ」さん「フォルテ」さんぐらいしか持ち札がなかった私にとって、気楽に立ち寄れる肉ランチスポットがひとつ増えました。カウンター席もあるし、一人での食事にも重宝しそうです。
 
ただ、このお店の楽しみ方という点では、ランチメニューだけで終わるのは勿体なさそうなので、次回は腰を据えてグランドメニューを味わいに行きたいと思います。ごちそうさまでした。

2015年10月某日の旅先: 吉祥寺「听屋(ポンドヤ)」さん

听屋ステーキ / 吉祥寺駅井の頭公園駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0