無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

旭川「蜂屋 五条創業店」~感動は記憶の彼方に~

今更ながら、旭山動物園に行って参りました。朝イチの便で羽田から旭川空港に飛び、直接動物園に向かったので、9時半の開門と同時に入園。小雨がちらつくあいにくの空模様でしたが、早く行ったのは正解で、お昼を過ぎるころにはかなり怪しい雲行きになっていたのでした。

すっかり冷えてしまった体を抱えて向かう先は、もちろん旭川市内の旭川ラーメン屋さん。「旭川ラーメン」と銘打つお店の選択肢は沢山あったのですが、今回は営業時間の兼ね合いと、過去に横浜のラー博で食べた味の記憶を頼りに、「蜂屋 五条創業店」さんに行ってみることにしました。

ラー博で食べた当時は、いくつかのお店を回った後、最後に入った蜂屋さんでしたが、一番衝撃的で記憶に残る味でした。表面を覆う焦がしラードで熱々な上に、独特の風味を醸し出すスープと、それに絡みついた麺が、今まで食べたことのないインパクトだったのです。

お店の入口を見つけるまでに少々手こずって、やっと辿り着いたのは、工事現場の仮設事務所のような殺風景な外観。ちょっと怯んだものの、中は奥に広く、お客さんの入りもまずまずで、ほっと一安心。ざっかけない雰囲気が意外と落ち着きましたが、冬はちょっと寒そうだなぁ…。
 
IMG_3268

頂いたのはしょうゆ味の白ねぎラーメン。ラー博で食べたものと同じく、焦がしラード入りなのですが…。あれ?そんなに熱々でないような…。香りも、食欲をそそる焦がし風味ではなく、間違って古い揚げ油が入ってしまったような、少々鼻につく匂いに感じられます。(ごめんなさい)。

中華料理で、カンカンに熱した胡麻油を、蒸して薬味を盛った魚の上からじゃっとかける、「清蒸鮮魚」という料理があります。あの手法を家で再現するときに、油の熱し方が足りなかったり、蒸し魚にかけるタレの味がぼんやりしていると、全く違う料理になってしまうのですが、この日頂いたラーメンは、そんな経験を思い起こさせました。

ラー博での記憶が美化されてしまっていたのか、焦がしラードに太刀打ちできない私の舌の老化なのか、はたまたラードの焦がし具合がイマイチだったのか、真相は謎ですが、残念ながら、身体が温まったというよりは、少々胸焼けしてしまった感がありました。

この日の夜は札幌泊予定だったので、旭川市内でのリベンジは叶いません。はるばる訪れただけに、そしてちょうど良いラーメン日和だったのに、無念…!悔しい思いでお店を後にしました。
 
そもそも、旭川ラーメンの定義が今一つ理解出来ていない私ですし、今回の経験だけで「旭川ラーメン」の善し悪しを判断すべきではないでしょう。いつかまた旭川に降り立ち、いくつかのお店で食べてみるまで、「旭川ラーメン」そのもののを語ることは控えようと思います。
ごちそうさまでした。

蜂屋 五条創業店ラーメン / 旭川駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.0

★ ラーメン関連記事
西荻窪「麺尊RAGE」さん