無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

旭川「珈琲亭ちろる」~捨てる神あれば拾う神あり~

旭川ラーメンは少々不本意な結果に終わりましたが、その代わり、口直しにとコーヒーを飲みにいった喫茶店で、僥倖に巡り合いました。「珈琲亭ちろる」さんは、三浦綾子さんの名作「氷点」にも登場したことで有名だそうでして、旭川関連のガイドブックにも必ず紹介されていたお店です。



こちらは、72年続いた建物と店名を引き継いで、2011年にオーナーが代わられたようです。レンガ造りの壁や、美しい中庭、薪ストーブなどの重厚感ある佇まいと、シックで落ち着いた内装は、長い歴史を感じさせるものの、古めかしいといったイメージには当てはまりません。
 
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パーソナルスペースが確保されたゆったりとした席の配置、広々と贅沢な空間を残すレイアウト、間接照明と中庭からの外光による程よい明りの加減が、この上ない居心地の良さをもたらしています。
 
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◆ 深煎りブレンド
ブレンドコーヒーは浅・中・深煎りから選べるのですが、深煎りは、深いコクと苦みの中に、ほのかな甘みが感じられる絶品。コーヒーを淹れるのに最適な温度があるのも分かりますが、私は、スタバや最近のサード・ウェーブ・コーヒー店でぬるいコーヒーに出会うと、興ざめしてしまう者です。コーヒーはやっぱり熱くて濃いのが一番!と思わせてくれる一杯でした。2杯目はブラジルを。こちらも馥郁とした香り、苦みと甘みのバランスが絶妙でした。
 
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◆ リコッタパンケーキ
バナナとハニーナッツバター、生クリームとメイプルシロップがつく贅沢なパンケーキ。リコッタチーズで仕上げられた軽さとふわふわ感はもちろんですが、特筆すべきは添えられたハニーナッツバター。香ばしく甘じょっぱい風味がパンケーキと相性抜群でした。
 
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場所柄と、お店の由来からしても、観光客で賑わっていそうなものですが、私たちが伺った時分のお客さんは殆どが地元の方のようで、観光客然とした方はあまり見かけませんでした。いずれにしても、席が密接していないので、他のお客さんの気配があまり気にならず、落ち着いた静かな雰囲気を十二分に堪能しました。

旅行中にこんなにも理想的な喫茶店に巡り合えたのは、久しぶり。あまりの居心地の良さに、札幌に向かう便を1つ2つ遅らせても構わないとさえ思ったほどです。

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出来ることなら近所にあってほしい…ですが、それは無理なので、このお店に来るために、いつかまた旭川の地に降り立ちたいと思います。ごちそうさまでした。

2015年10月某日の旅先: 北海道・旭川市 「珈琲亭ちろる」さん  

珈琲亭 ちろるコーヒー専門店 / 旭川駅
昼総合点★★★★ 4.0

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