神保町「TAKEUCHI タケウチ」～そろそろパーソナルスペース問題と向き合うべき時？～
神保町の並み居るカレー店の中でも評判の高い、「TAKEUCHI （タケウチ）」さんを訪問しました。「洋食膳海カレー」を掲げられている通り、魚介や洋食メニューを取り入れた膳スタイルにこだわっている点が、他のカレー店と一線を画していて興味をそそられました。
メニューは、カレーソースの煮込みハンバーグ膳や、イベリコ豚のカツカレー膳、炙りチーズと温玉のカレー膳など、洋食風のカレーが中心ですが、面白いのは、全品に小鉢とお味噌汁、小さなデザートまでついたザ・定食スタイルで、ごはんとお味噌汁はお代わり無料だということ。ご飯がカレーと別盛りで提供されるメニューに至っては、茶碗にこんもり盛られたご飯の上に、胡麻と梅干しがトッピングされていました。さすが、強靭な胃袋向けの神田・神保町エリアのお店です。
◆ キーマ風カレー膳
このカレーが特徴的なのは、海老やタコ、イカのミンチと豆で作られた海鮮キーマであることです。御覧の通り、かぼちゃ、パプリカ、ピーマン、茄子、蕪など、素揚げ野菜が美しく盛りつけられ、大変彩り豊か。味噌汁と、大豆もやしのナムル風小鉢、具沢山の味噌汁で栄養バランスも良く、ビジュアルだけで健康的で正しい一食を頂いているような気分になります。
カレーは、海鮮ミンチに対する物珍しさ気分なんぞ瞬時に裏切る、海鮮の旨味や豆の甘みとのバランスがお見事な一品。魚介出汁の旨味を溶かし込んだシーフードカレーとはまた違った美味しさでした。ほどよくスパイスが効いていて、ぷりぷりの海鮮ミンチと、ホクホクの豆が楽しい食感です。
熱々の鉄板の上の料理は、まごうことなきカレーライスではあるのですが、さらりとした後口で重たくないので、味噌汁や小鉢と一緒に食べ進んでも違和感がなく、むしろ、お盆に載っている全てが揃うことで、バランスの良い定食膳が完成されているように感じました。
熱々の鉄板の上の料理は、まごうことなきカレーライスではあるのですが、さらりとした後口で重たくないので、味噌汁や小鉢と一緒に食べ進んでも違和感がなく、むしろ、お盆に載っている全てが揃うことで、バランスの良い定食膳が完成されているように感じました。
カレーの味も好みのタイプですし、バランスの良い定食スタイルも素晴らしく、欧風やインド・スリランカ風とも、喫茶店カレーとも違う独自性に、拍手を送りたくなるお店でした。他のメニューも是非試してみたいと思います。
ただ、敢えて残念な点を挙げるのであれば、小さなお店ゆえの狭さ。「狭さ」の感じ方には個人差がありましょうが、私の場合、食事時に隣席との距離があまりに近いと、少々息苦しさを感じるのと、妙に急き立てられているような心持ちになり、落ち着いて食事が楽しめないのです。カレー店やラーメン店には、得てしてこういう小体な店構えが多く、たとえば吉祥寺の「Piwang」さん（座席数3席！）などは、私にとってはかなりの難関に感じられます・・・。
食べ歩きをしている限り、常にこのパーソナルスペース問題がついて回り、看過できない課題ではあるのです。馴れればへっちゃらになるものでしょうか…？
タケウチ 神保町本店 （カレーライス / 神保町駅、新御茶ノ水駅、御茶ノ水駅）
昼総合点★★★☆☆ 3.0
★ カレー関連記事
