無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

旭川「旭山動物園」~北の地で出会った動物たち・その2~

だいぶ間が空いてしまいましたが、前回に続き、旭山動物園の後半を記録しておきます。

こちらも、旭山動物園名物の行動展示が見られ、屋内と屋外それぞれに放飼場があります。
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お目当てのもぐもぐタイムでは、飼育員の手によってプールに投げ込まれた餌めがけて、ホッキョクグマが豪快にダイブする様子を見ることが出来ます。水中で四肢を巧みに動かして泳ぐ姿は珍しく、身体の大きさもよくわかります。
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もぐもぐタイムでは、水槽前の一列目の場所取り合戦が繰り広げられますが、実は2列目か、1段上に立ったスロープから、ちょっと引きで見た方が、水中に飛び込む一連の様子がよく見えました。

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この日は陸上でも随分活動的で、ずっと眺めていたいくらい、見ていて飽きませんでした。
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レッサーパンダ
はちょうど遊びに夢中になっているタイミングで、吊り橋を渡りながら追いかけっこしたり、しゅるしゅると木を駈け上がったり、器用に葉っぱを食べたりといった愛らしい姿を間近に見ることが出来ました。
 
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2つが柵で仕切られ、隣接しています。オオカミは俊敏過ぎて写真に収めることが出来ませんでしたが、立派な角を持つエゾシカの姿をパチリ。
 
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寒い日だったからか、カバはひたすら水の中にもぐって暖を取っていました。ここも陸地と水中どちらの姿も見られるのが魅力です。
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きりん舎は、ちょうどキリンの頭の位置が目の高さに来るような展示になっていて、こんな間近にキリンの顔を拝んだのは初めてです。
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園内広くアップダウンも多いので、歩き疲れたのと曇天ならではの肌寒さで、後半はかなり体力を消耗しましたが、はるばる足を運んだだけの価値は十分にありました。

これまでの動物園は、狭苦しい檻の中で、動く意欲も失くしたような動物たちを見るというイメージで、その痛ましさに、長らく動物園に行くことを避けていました。しかし、旭山動物園は、動物にとって最上の環境を追求し、それを実直に体現している場所だと感じました。今でこそ動物の生態に合わせた行動展示や、自由に動き回れるゆとりあるスペースも珍しくないようですが、こちらはさすがパイオニアだけあり、動物たちとその先の自然まで見据えた、動物園の進化形を見た思いでした。

一方、こうした園側の進化に伴って、来園者の私たち側のマナーも向上されて然るべきだとも感じました。ほっきょくぐま館では、動物園のスタッフが声を嗄らし、外国にはプラカードを掲げながら、懸命にフラッシュ撮影禁止を呼びかけているにも関わらず、フラッシュを焚く来園者がいたのには唖然としました。

どんなに考え抜かれた環境で飼育されていても、動物たちは人間の勝手な都合で自由を奪われ、見世物にされていることに変わりはありません。だからこそ、その姿を晒している動物たちへの配慮や敬意は最大限払われるべきだと思います。人間の驕りで連れてこられた彼らが、ストレスを感じず、健やかに生活できるよう、私たち見学者側も、成長してゆきたいものです。

2015年10月某日の旅先: 北海道旭川市「旭山動物園」