無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

築地市場「やじ満」~なんて美味しいラーメン&焼売!~

師走も後半となり、年の瀬が迫る勢いだというのに、やたらと暖かい日が続き、今冬はムートンの出番なし?!と危ぶんでいたところ、この日は朝から冷え込み、冬らしい寒さの一日となりました。

こんな日こそはラーメン日和!ずっとずっと気になっていながらも、行くタイミングを逃していた「やじ満」さんを目指し、今年初おろしのムートンを羽織って、いざ築地市場に。並み居る観光客の方々の間を縫って、11時少し前に伺いましたが、鮨店の大行列とは無縁で、5分ほど待つとすぐに入店出来ました。カウンターだけの小さなお店ですが、湯気のぬくもりが嬉しく、ほっとします。

「やじ満」さんは、市場関係者御用達の中華食堂です。以前、何かの雑誌で、西荻窪「オルガン」オーナーの、紺野真さんがこのお店を推薦されていた記事を読み、記憶に鮮明に残っていたお店でした。

◆ ニラそば
不動の人気を誇っているというニラそばは、なみなみ張られたスープに韮がどっさり浮いていて、見ただけでもう元気が湧いてきそう。豚肉、玉葱、筍と具だくさんですが、なんといっても、炒めた韮の旨さと香ばしさが際立ちます。醤油味のスープは、色こそ濃いですが、塩気は控え目で、ちっとも塩辛くありません。その分旨味が濃厚で、うわっと思わず声が出たほど、とてつもなく美味しい!口内に押し迫ってくる旨味に、レンゲが止まりませんでした。
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ストレート麺はするするっとした喉越しの良さと、控え目なもちもち感で、これまた好きなタイプだったのですが、とにかく盛りが良くて、啜っても啜っても丼の底が見えてきません。市場で働く皆様方、やはりこれぐらいのボリュームがなくてはお仕事勤まらないのでしょうね。とはいえ、美味しかったので、量が多くても決して苦にはならず、ちゃんと完食しました。

◆ カキらーめん
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同行者は、冬季(10~3月)限定のカキらーめんを。以前にも書きましたが、今年の2月に牡蠣にあたってから、涙をのんで牡蠣とのお付き合いを断った私ですが、どうせだったらこれを食べてからあたりたかった…。旨味を逃さぬように片栗粉をつけてソテーされた、ぷりっぷりの大振りの牡蠣が4個ものった贅沢なラーメンです。こちらのスープ塩味ですが、深い旨味に陶然となるのはニラそば同様。牡蠣独特の磯の香りが漂い、食べ進むうちに、牡蠣エキスがスープに溶け込んでいる様子が良くわかります。よほど美味しかったのでしょう、同行者はスープまで綺麗に飲み干していました。

◆ ジャンボしゅうまい
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これまた美味しかった!豚肉と玉葱だけのシンプルな構成の焼売ですが、皮の存在がかすむほどの肉で、がっちりと固めあげられていて、型破りなボリューム。2個も食べたらお腹いっぱいになりました。おすすめはソースということで、ソースも試してみましたが、ミートボールを思わせる洋風寄りの味わいになり、決してミスマッチではありません。醤油との相性は言わずもがなですが、いっそ、何もつけなくても美味しいくらいでした。

ラーメンを頂く頻度は数少ない私ですが、その中にあっても、「やじ満」さんニラそばは、今年一番のヒット。私はこういうタイプのラーメンが好きなんだな、と新たな気づきがありました。そして焼売も、難波「一芳亭」さんのものと並び、今年の私的ベスト3に入ります。もっと早くに食べに来るべきでした!冬にぴったりな広東ラーメンや、もやしそばニラ玉丼など、お品書きが大変魅力的で、春からの季節限定・あさりらーめんも加えて、片っぱしから制覇していきたいと思います。

今の築地市場だったら、銀座や新橋に出るついでで、比較的立ち寄り易い立地なのですが、豊洲に行くとなると、やっぱり「わざわざ」感が先に立ちます。手前勝手は重々承知ですが、アクセスの良い今のうちに、足繁く通っておかなければ、と思う次第です。

お店を出たときには、もうムートンは要らないくらい体があったまっていました。ごちそうさまでした。

2015年12月某日の旅先: 築地市場内 「やじ満」さん

やじ満中華料理 / 築地市場駅築地駅東銀座駅
昼総合点★★★★ 4.0

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