無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

曙橋「ジュー ドゥ マルシェ」~クラシックながら軽やかなフレンチ~

気の置けない友人とのディナーで、曙橋の「ジュー ドゥ マルシェ」さんにお邪魔しました。靖国通り沿い、防衛省の前という、ちょっと意外なロケーション。平日はともかく、休日の夜はちょっと寂しげでさえある通りですが、お店そのものは落ち着いた雰囲気の、正統派フレンチレストランです。

ディナーコースは、おまかせのみ。アミューズに前菜が3品(うち1品はリゾット)、魚、アヴァンデセール、肉、デセールに、カフェと小菓子がついて5800円と破格のお値段ですが、美しく繊細な盛り付けのお料理で、組み立てられたコースを堪能出来ました。

アミューズ・ブーシュ
鱈のコロッケ、ポルトガルのバカリャウをトマトソースと共に。
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◆ フォアグラとフランボワーズのジュレのテリーヌ 胡桃のサラダと
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◆ 貝類と群馬やまこきのこ園直送いろいろキノコのフリカッセ
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◆ 釜揚げシラスのリゾット グラナパダーノのクロッカン添え 古代米
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◆ 天使の海老のソテーとこぶみかん香るオマールの泡
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◆ 牛ランプ肉のロースト
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◆ 小さな自家製プリン
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◆ 栗のムースと安納芋のスープ キャラメリゼしたりんごのグラスと
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◆ カフェ&小菓子

どれもクラシックな佇まいで、一皿一皿の印象も強いのですが、味の仕上がりはとても軽やか。魚、肉、リゾットまでもが盛り込まれたコースメニューは一見重厚感が漂いますが、それぞれのお皿の冷温や、口当たりの違いなどによって緩急があり、一皿ごとでもコースを食べ終えたときも、食べ疲れすることなく楽しめました。また、添えられた旬野菜など細部に渡って季節感が盛り込まれていて、目で愛で、舌で味わう楽しさも感じられました。

特に印象深かったのは、釜揚げしらすのリゾットランプ肉のローストリゾットは、トレヴィスのほろ苦さとしらすの旨味が、クリーミー古代米のリゾットのとても良いアクセントとなっていました。また、リゾットのプチプチ感とトレヴィスのサクサク感、カリッと香ばしいクロッカンの食感の妙も面白く、これはこれは…!と嬉しい驚きに満ちていました。ランプ肉のローストは、そのロゼ色の美しさにも惚れ惚れしましたが、味わいも深く、力のこもった一皿でした。

食後に、シェフの方がご挨拶に来て下さいました。お値段のことだけをフォーカスするのは興醒めですが、色々な材料を取り揃えて、これだけのコースをリーズナブルに提供する、そのチャレンジングな姿勢には感服します。気合十分のお料理、堪能させて頂きました。

ごちそうさまでした。

2015年12月某日の旅先: 曙橋「ジュー ドゥ マルシェ」さん 

ジュー ドゥ マルシェフレンチ / 曙橋駅四谷三丁目駅四ツ谷駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5