無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

白糸台「モルゲン ベカライ」~わが故郷自慢のパン屋さん~

実家の市内にある「モルゲン ベカライ」さんは、今年20周年を迎えたパン屋さんです。都内とはいえ、最寄駅は市民でも利用者が限られるであろうローカルな駅で、「知る人ぞ知る」的な場所にあるのですが、そのパンの美味しさを実感しているのは我が家だけではないようで、レジカウンターの後ろには取り置き予約のパンがずらり。週末に車で買い付けに来る人も、1人や2人ではありません。その一方で、気取らない惣菜パン類も充実していて、「街のパン屋さん」的親しみやすさも兼ね備えています。

「モルゲン ベカライ」さんのパンは、低温長時間発酵とスイスの伝統的製法を用いているそうで、食べやすいのに噛み締めると味わい深いパンばかり。角食のプルマンコンプレローゲンンブロートなど、多彩なパンのラインナップも大好きですが、甘みを抑えたデニッシュ類が私の好みに合致していて、ハズレにあたったことがありません。今回、新たに登場した焼き菓子系を購入してみたのですが、これが大当たり!

◆ プルマン(ハード)
写真はありませんが、砂糖不使用の塩味タイプの角食パンで、バゲットと角食の中間のような、さっくりとした歯触りが特徴です。僅かに感じられる塩気が小麦の甘みを際立たせていて、後味があっさりしているので、食べ飽きません。生クリーム入りで柔らかしっとりのプルマン(ソフト)が一番人気だそうですが、私は断然ハード推し。実家でも毎朝のパンはこれで、私も実家に立ち寄った折には、事前オーダーしたプルマンを引き取って帰ります。

ルバーブのデニッシュ
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とにかくルバーブに目がない私は、このお店以外でもルバーブの文字あらば購入してしまうのですが、ルバーブ入りのデニッシュを定番商品とされている「モルゲン ベカライ」さんには、感謝することしきり。ルバーブ特有のシャキッとした歯触りと甘酸っぱさを損なわない、ぎりぎりのフレッシュ感と風味にゾッコンで、店頭にあれば必ず購入する、大の気に入りです。

◆ バナナキャラメル
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鼻に抜けるラムとバナナの芳香に、思わず目を瞑ってしまう一品。作り立ての絶妙な味わいは言うに及ばず、時間が経ってフィリングの水分が少し染み出て、いい感じにしっとりした頃合いも、またオツなもの。

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カヌレってどこが美味しいんだろう?とずっと思っていたのですが、「モルゲン ベカライ」さんカヌレを頂いて、既成概念が覆されました。外側はカリカリに焼きこまれてキャラメルにも似た香ばしさがあり、内側のラム酒とバニラ香る生地はしっとりと上品。カスタードプディングともスポンジとも違う、滑らかで、しっかりとした食感に骨抜きにされました…。

◆ スコーン(チョコクランベリーキャラメルナッツ
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ゴツゴツとした無骨な見た目に反し、ザクッ、ほろほろと舌に優しく溶けていく食感が後を引きます。スコーンそのものの甘さはかすかに感じる程度で、存在感ある大きめのチャンクとちょうど良いバランスです。サイズも大きめで、朝食はこれ1つで十分なほどの食べ応えです。

日常的にデニッシュや焼き菓子を食べることは極力控えているのですが、「モルゲン ベカライ」さんの商品には中毒性があって、ひとたび店に入ってしまうと、ひとつふたつとトレイに取ってしまいます。これまではルバーブバナナキャラメルだけで済んでいたのですが、加えてこれからは、カヌレスコーンの誘惑とも闘わなくてはなりません。

お店の場所は実家と同市内というだけで、実家に向かう途中にあるわけでもなく、むしろ遠回りにすらなるのですが、私にとっては、その労を厭わぬだけの価値があるパン屋さんなのでした。

ごちそうさまでした。20周年おめでとうございます!

モルゲンベカライパン / 白糸台駅武蔵野台駅多磨霊園駅
昼総合点★★★☆☆ 3.8

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