鹿児島「熊襲亭」~代表的な薩摩郷土料理を堪能~
夕食は、黒豚しゃぶしゃぶと薩摩郷土料理との間で激しく悩んだ末、最終的には、これまで頂いたことのない薩摩料理を食してみようということになり、天文館にある「熊襲亭」さんに伺いました。
こちらの正調さつま料理プランにはいくつかのコースがあり、貴コースと大和コースという2つの異なるコースを組み合わせて、薩摩と、一部奄美の郷土料理を頂けるようにしました。二人とも蟹はあまり好まないのでパスしましたが、高額コースである篤姫や斉彬のコースには平蟹が付くんだそうです。
こちらの正調さつま料理プランにはいくつかのコースがあり、貴コースと大和コースという2つの異なるコースを組み合わせて、薩摩と、一部奄美の郷土料理を頂けるようにしました。二人とも蟹はあまり好まないのでパスしましたが、高額コースである篤姫や斉彬のコースには平蟹が付くんだそうです。
◆ 突き出し・前菜盛り
◆ きびなご刺身とお造り
◆ 地鶏と鰹のたたき
◆ さつま揚げ
さつま揚げは、地元では「つけ揚げ」と呼ばれるそうです。この料理は鹿児島が発祥だと思っていたのですが、実は沖縄の「チキアゲ」なるものがルーツなのだそうですね。わさび醤油がついてきましたが、何もつけなくても十分美味しく頂けます。
◆ 黒豚しゃぶしゃぶ
◆ 黒毛和牛のステーキ
◆ 黒豚とんこつ
薩摩料理の代表格・黒豚とんこつは、骨付きのあばら肉を焼酎と合わせ味噌で煮込んだものですが、肉や脂身はとろっとろで、軟骨部分でさえほろっとほぐれるほどの柔らかさです。全国的に肉食タブーだった江戸時代から、鹿児島では豚肉が食されていたそうで、正に歴史ある郷土料理なのですね。黒砂糖も入れて煮込まれているので、豚肉も、角切りの大根もこんにゃくもかなり甘みが強く、針生姜の存在が有難く感じられます。
◆ 酒ずし
薩摩料理の「華」的存在だそうで、食べてみたかった一品です。殿様の催した宴で残った料理と酒を一晩置いておいたことから生まれた料理で、いわゆる「なれ寿司」の一種なのだと理解していましたが、こちらの酒ずしには寝かせた後のこなれ感が感じられず、ご飯にお酒がまぶされているだけのような水っぽさがありました。これが正解なのでしょうか…?酒と御飯を1:1の割合で作るのが正統だそうで、とにかくお酒の風味が強烈な上に、なぜか非常に甘い!ごめんなさい、私は完食出来ませんでした…。
◆ 鶏飯
こちらも待望の、甘みの郷土料理・鶏飯(けいはん)。これは炊き込みご飯ではなくスープかけご飯で、白いご飯の上に、裂いた鶏肉と錦糸卵、椎茸、筍、漬け物、刻み海苔、葱などの具材と薬味を乗せて、鶏スープをかけて頂きます。温かいスープで頂く豪華茶漬けといった感じで、さらさらと食べられて、すっきりと胃に収まる、〆にぴったりの一品でした。
◆さつま汁
大根人参ゴボウ、鶏が入ったごちそう汁。地鶏ガラの出汁だそうですが、麦味噌の穏やかな味で、とても美味しく頂きました。
◆ デザート
ひととおりの郷土料理を網羅出来て満足でしたが、個人的には後半の黒豚とんこつと酒ずしの甘味にかなり難儀しました。九州のお料理の傾向として砂糖の多用があることは認識していましたが、まさかこれほどとは…。もちろん、これは好みの問題なので、気にならない方の方が多いかもしれません。
一方で、ステーキの付け合わせの野菜や、タレ類はかなり塩味しっかりめでした。甘辛どちらもはっきりとしていて、お酒を呼ぶ味付けなのは、やはり焼酎が良く飲まれる土地柄なのでしょうか。
一方で、ステーキの付け合わせの野菜や、タレ類はかなり塩味しっかりめでした。甘辛どちらもはっきりとしていて、お酒を呼ぶ味付けなのは、やはり焼酎が良く飲まれる土地柄なのでしょうか。
お料理はともかく、接客に残念な点が多く、コースのお料理が次から次へと息つく暇なく運ばれてきて、ゆっくり食事を楽しみたい気持ちが削がれました。こういうお店は、観光客や接待に利用されることが多いのではと推察しますが、私たちの席の担当の女性は、完全に接客不向き。料理の説明も小声で聞きとりづらい上に笑顔は封印され、終盤は何も言わず皿を下げ、次の料理を置いていかれたのにはちょっと引いてしまいました。
また、HPを見て予約をしてくれた御礼にと渡されたタオルのご厚意も、理解しづらかったです。熨斗がついているわけでもない、ビニール入りのタオルでした。う~ん…。
また、HPを見て予約をしてくれた御礼にと渡されたタオルのご厚意も、理解しづらかったです。熨斗がついているわけでもない、ビニール入りのタオルでした。う~ん…。
こういう食事の場が、旅先の土地の印象を左右することも多いので、少々残念に思いました。ともあれ、薩摩料理を体験できたことで良しとしましょう。ごちそうさまでした。
2016年1月某日の旅先: 鹿児島市「熊襲亭」さん