無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

神保町「みかさ」~焼きそばの魅力、再発見!~

神保町の「みかさ」さんは、雑誌で紹介されていた記事を読んでから、ずっと気になっていたお店です。なんてったって、焼きそば専門店ですもの。改めて考えてみると、焼きそばって外であまり食べないかも…。中華料理店で、上海焼きそばやかた焼きそばなどを頂くことはありますが、ソース焼きそばや塩焼きそばって、どこで食べることが出来るんでしたっけ?お好み焼屋さんとか?

11時の開店10分前に伺ったところ、私たちは2組目。その直後にずらっと列が連なりました。同じ白山通り沿いには、神保町名物の天ぷら「いもや」さん始め、焼肉屋さん、ラーメン屋さんなど、安くて美味しいお店が立ち並んでいるので、ランチタイムを前にどこも列が出来ています。学生も会社員も多い街だけに、改めてランチ激戦区であることを実感。

「みかさ」さんのメニューは潔く、ソースまたは塩味焼きそば2種のみ。小並大のサイズ違いと、海老イカ入りのオプションの有無だけという、わかりやすいメニュー構成です。開店前から店内で豚バラを焼く香ばしい香りが漂っていましたが、カウンターに座ると、ソースが焦げる香りが更に鼻腔をくすぐります。ソース文化とは縁遠い出自であっても、この熱したソースの芳香には、問答無用で食欲を刺激されてしまいますね。

ソース焼きそば(えび・いか入り)小
DSC_0234

現れ出でたるソース焼きそばは、御覧の通り小サイズでも豪華絢爛。ぷりぷりのイカと海老が加わるだけで、なんだかものすごく贅沢をしている気分になります。ご自慢の手もみ縮れ麺はシコシコもちっとした食感で、縮れ部分に絡んだ甘辛いソースの味がよくわかります。もやしキャベツも入っているのですが、麺とよく馴染んで一体化しているので食べやすく感じました。カリカリの豚バラ肉は別のソースで下味付けされているようで、結構濃いめの味です。ちょっとビールが欲しくなるかも…。

DSC_0236
 
どどーんと乗った目玉焼きを崩して塩気を和らげ、奥側にこんもり盛られた白髪葱で辛みをつけながら、食べ進んでいきます。卓上にある3種の薬味も、味に変化をもたらしてくれました。紅生姜でさっぱりと、イカ天かすでクリスピーな歯触りを加え、辛子マヨネーズでまろやかに。焼きそばってこんなに楽しい食べ物だったんだ!と心躍らせながら頂きました。

◆ 塩焼きそば・小
DSC_0235

半分食べ進んだところで、同行者と交換。塩焼きそばは、ソース焼きそばに比べて汁気が少ないので、時間が経つと麺がくっつきがちではありますが、麺自体の美味しさを味わうならこちらが良いかもしれません。塩味はキツ過ぎず、キャベツもやしなどの野菜の甘みや、カリカリに焼かれた豚バラ肉の旨みもしっかり感じられ、ソース焼きそばと甲乙つけがたい魅力がありました。ジャンク感を楽しみたいならソース焼きそば、焼きそばという料理そのものを探求したいなら塩焼きそば、といったところでしょうか。

ソース焼きそば、塩焼きそば、どちらも個性があり、単品で頂くにふさわしい完成された一品でした。今回は、この後のために胃に余裕を残しておきたかったので小サイズを選んだのですが、これだけでも確かな満足感を得られます。次回は並サイズでしっかり頂こうと思いますが、さて、どちらを選んでいいやら…直前まで迷い楽しむことになるでしょう。
ごちそうさまでした。

2016年1月某日の旅先: 神保町「みかさ」さん

みかさ焼きそば / 神保町駅九段下駅水道橋駅
昼総合点★★★☆☆ 3.4