神田「Hofbackerei Edegger-Tax(ホーフベッカライ エーデッガー・タックス)」~ハプスグルク家御用達の味を~
年末の新聞に、オーストリアの老舗ベーカリー「Hofbackerei Edegger-Tax(ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」さんが海外初出店舗として神田にオープンするという記事が掲載されて以来、訪問機会を狙って楽しみにしていたお店です。マーチエキュート神田万世橋の中という好ロケーションだったので、神保町の「みかさ」さんでお昼を済ませた後に、万世橋まで腹ごなしの散歩も兼ねて伺いました。
「エーデッガー・タックス」さんは1569年創業で、かのハプスブルク家から御用達の称号を受けており、帝国の象徴である双頭の鷲の紋章を看板に掲げられるのは、王家御用達店だけに与えられた特権なのだとか。何やら厳かで物々しい肩書ですが、それよりも、皇帝が食していたパンと同じ伝統的な製法を継承している点に興味をひかれました。ドイツ系のパンが大好きな私にはきっと好みに合うのでは、とワクワクしながらの訪問です。
◆ ハンドカイザー(胡麻)
皇帝の王冠を模した、ドイツ語圏では定番のパン「カイザーゼンメル」を、こちらでは「ハンドカイザー」と呼び慣わしているのだそうです。よりによってこのパンだけ写真を撮り忘れてしまったのですが、王冠型の可愛らしい丸いパンで、表面には胡麻がびっしりとまぶされています。表面はクリスピーで、中はふっくら軽やかな食感。バターや砂糖に頼らない、小麦とイーストが際立つ味わいで、噛みしめるほどにしみじみと美味しいパンです。
◆ キプフェル
オスマントルコの軍勢を破ったオーストリア民衆が、敵の軍旗に書かれた三日月をパンにして勝利を祝ったのが由来とされるパンで、クロワッサンの原型だとか。こういうストーリー性のあるパンは楽しいですね。プレッツェルにも似て、表面はつやつや、なかはさっくりと軽くエアリーな食感です。シンプルな味わいで、飽きの来ない美味しさでした。
◆ ザルツシュタンゲル
これがとても美味しかった!表面にトッピングされているキャラウェイシードがプチっと弾ける爽快な風味と、岩塩のしっかりした塩味が良いアクセントです。ビールにぴったりとの説明書きがありましたが、ワインとの相性もよさそうなパンです。
◆ ヌスキプフェル
◆クラプフェン
ドーナッツの一種だそうですが、オイリー感は全くなく、カステラに似たきめ細かさがあるふんわりパンです。甘酸っぱいアプリコットジャムがサンドされていて、これまた絶妙な味わい。次回もリピートしたい一品でした。
バターたっぷり&甘くてふんわり、というパンよりも、余計なものが入らないシンプルな構成の中に、小麦の甘みがじんわりと感じられるようなタイプのパンが好きな私には、非常に好ましいラインナップで、今回の商品いずれもリピートしたいですし、次回はブロート類もぜひ購入してみようと思います。ハプスブルク家のみならず、我が家の御用達ベーカリーになりそうな予感大です!ごちそうさまでした。
2016年1月某日の旅先: 神田「Hofbackerei Edegger-Tax(ホーフベッカライ エーデッガー・タックス)」さん
Hofbackerei Edegger-Tax (パン / 淡路町駅、秋葉原駅、新御茶ノ水駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.7
白糸台「モルゲン ベカライ」さん
田原町「パンのペリカン」さん
六本木「ラトリエ・デュ・パン」さん
京都「ブーランジェリー アルチザナル」さん
京都「ベーカリー柳月堂」さん
水天宮前「オーゾウベーグル」さん
三鷹「風のすみか」さん