孫と私の小さな歴史(佐藤愛子)~読後所感~
※あくまでも個人的な感想です。一部作品のあらすじやテーマに触れている箇所があります。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。
--------------------------------------------------------------------------------
御年93歳の佐藤愛子さんの最新エッセイは、おなじみ響子さんの娘であり、愛子さんの初孫である桃子さんとのストーリー性のある2ショット写真と共に綴られています。この写真は、毎年愛子さんがごく親しい友人に送っていた年賀状用で、トトロの可愛らしい着ぐるみから始まり、インディアンやドラキュラ、コギャル、赤ん坊、さらし首、泥棒…と年々過激になるテーマに沿って扮するコスプレは、なんと20年近くも続けられます。本書の最後を飾る2011年の年賀状写真には、度肝を抜かれつつ「あっぱれ佐藤愛子さん!」と賞賛せずにはいられませんでした。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。
--------------------------------------------------------------------------------
御年93歳の佐藤愛子さんの最新エッセイは、おなじみ響子さんの娘であり、愛子さんの初孫である桃子さんとのストーリー性のある2ショット写真と共に綴られています。この写真は、毎年愛子さんがごく親しい友人に送っていた年賀状用で、トトロの可愛らしい着ぐるみから始まり、インディアンやドラキュラ、コギャル、赤ん坊、さらし首、泥棒…と年々過激になるテーマに沿って扮するコスプレは、なんと20年近くも続けられます。本書の最後を飾る2011年の年賀状写真には、度肝を抜かれつつ「あっぱれ佐藤愛子さん!」と賞賛せずにはいられませんでした。
以前、内舘牧子さんのエッセイの感想として、内舘さんと佐藤愛子さんが「女傑」のイメージであると書いた通り、卒寿を過ぎてもその勇ましい生き方は変わらぬ佐藤愛子さんですが、昔と比べるとエッセイに出てくる「!」のマークは明らかに少なく、怒り心頭に達する場面は随分少なくなりました。この年賀状の撮影が行われていた20年の間にも、白内障の手術をされたり、二週間近くも入院されたりと、体調を崩される事態もあったようです。「晩鐘」を執筆された際の心情に通ずるものがあるかもしれませんが、きっと、ご自身の来し方行く末を思う日もあったのではないでしょうか。