無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

鎌倉「ジェラテリア・イル・ブリガンテ」~極上の滑らかジェラート~

アイスクリームなどの氷菓子系にはずっと苦手意識がありましたが、阿佐ヶ谷の「ジェラテリア シンチェリータ」さんに出会って以来、ジェラートに開眼しつつある私。鎌倉の「OXYMORON komachi」さんで、デザートまで食べたにも関わらず、「ジェラテリア・イル・ブリガンテ」さんにも立ち寄ってしまったのは、ひとえに「次に鎌倉に来るのはいつになるかわからない!」というあさましい根性ゆえです。

「ジェラテリア・イル・ブリガンテ」さんはイタリアンジェラートの専門店。本国でも少なくなってしまったという「古き良き時代にシチリアの職人さんが作っていた、昔ながらの無添加手作りジェラート」をコンセプトにしていらっしゃるそうです。2種のフレーバーの組み合わせによって、味わいが随分違ってくるそうで、お店の方が強く勧めるコンビネーションが予めセットとなっていました。海風のせいか、東京よりも冷え込みが感じられる日和で、ジェラートを頂くのにふさわしいシチュエーションとは言い難かったのですが、果敢にチャレンジ。

シチリア産カロブ蜂蜜 & 生ピスタチオ
こけももや、マルサラ、トローネなど気になるフレーバーもあったのですが、冬場はフレーバーのバリエーションが少なく、選択の余地があまりなかったのが残念。消去法に近い手段で選んだ2種は、シチリア産カロブ蜂蜜ピスタチオ。どちらもプレミアムフレーバーゆえお値段1500円(!)と高額でしたが…しかし!空気をたくさん含ませて練り上げた、その絹のような滑らかな舌触りと、味わいの深さには驚きを禁じえませんでした。
 
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蜂蜜には砂糖はもちろん入っておらず、蜂蜜だけの軽やかな風味は、舌にまとわりつく甘さとは無縁です。けれど、すっと消えてゆく口どけの中に蜂蜜ならではのコクがあり、存在感は十分。一方、この日のピスタチオは、ローストしていない、生のピスタチオを用いた非常に珍しいタイプだそうで、香り高く、EXバージンオリーブオイルにも似た爽やかな油分は病みつきになりそうな味わいでした。

カップに入っている間は溶けだす気配さえなく、しっかりとした質感を保っているのに、舌に載せた途端に、染み込むように消えてゆく口どけが衝撃的でした。寒さにめげず、試してみて良かった…。フレーバーはやはり春から夏にかけてが充実するようなので、どうにかしてその頃に再訪し、他の味を体験してみたいと思いました。
ごちそうさまでした。

ジェラテリア イル・ブリガンテアイスクリーム / 鎌倉駅和田塚駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3