無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

日替わりオフィス(田丸雅智)~読後所感~

※あくまでも個人的な感想です。一部作品のあらすじやテーマに触れている箇所があります。
まだこの本を読まれていない方は、以下記述に目を通される際にはどうぞご留意ください。

--------------------------------------------------------------------------------


オフィスでの出来事や、働くことをテーマにした、ちょっと不思議でシニカルな短編18編が収められた作品です。「奉公酒」「恋子レンジ」「発電女子」「客観死」など、目次からして何やら愉快な雰囲気が漂っています。ショートショートは普段あまり手にしないので、新鮮でした。星新一さんを思わせる、ちょっと不思議なファンタジーの数々は、ぴりっとアイロニカルな味付けも加わっていますが、辛辣過ぎず、ほのぼのした読後感を味わえました。

オフィスビルがイラストの表紙や、各章の扉ページが行動予定表ボードになっている装丁なども可愛く、気軽に手に取れる一冊で、ページ数も少ないので、それこそ通勤時間や休憩中の気分転換に、さくっと1~2編ぐらい読めてしまうのではないでしょうか。