無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

浅草「グリルグランド」~Wの幸せ、オムライス~

いつもの如く「ペリカン」さんのパンを買いに浅草に。一人で買いに行ってさっと帰ってくることもあるのですが、この日は二人だったので、ゆっくりウロつくことにしました。ランチは、同行者の希望で、久しぶりに「グリルグランド」さんで。やったー♪浅草に洋食屋さんの名店は数あれど、私が一番好きなのは「グリルグランド」さんなのです。

開店時間をちょっと過ぎてしまったら、1階は既に満席(早!)で、靴を脱いで、2階のお座敷に上がりました。人形町の「芳味亭」さんなどもそうですが、和室で洋食を食べるシチュエーションは、実は嫌いではありません。食事を頂くにはテーブルと椅子の方が断然食べやすいのは分かっていても、和洋折衷の取り合わせが老舗洋食屋さんらしくて和めるのです。

こっくり深味のあるビーフシチューも、滑らかなベシャメルソースグラタンも、目玉焼きが載ったハンバーグも、からりと揚がったフライも、外でナポリタンは食べない私がここでなら頂くナポリタンも、「グリルグランド」さんのメニューはみんな魅力的で、選ぶのにひと苦労。どれにしようか散々迷った末、二人とも久しぶりなのでシンプルに行こう、と最終的にはオムライスに落ち着きました。

◆ セットのスープ&サラダ
DSC_0393
DSC_0394

◆ オムハヤシ
「グリルグランド」さんのオムライスは、昔ながらの卵でくるんだオムライスと、オムハヤシ、3代目が始めた特製オムライスの3種類があるのですが、今回はオムハヤシ特製オムライスを。オムハヤシはその名の通り、玉葱と牛肉がごろごろ入ったハヤシライスのソースがたっぷりかかった豪華版です。
 
DSC_0395

さくっと柔らかな牛肉は、肉自体の旨みもしっかり感じられる程の確かな存在感を有していますが、その肉汁が溶け込んだ、艶やかな茶褐色のソースが、これまた絶品。オムライスとハヤシライスを一度に食べるような多幸感を感じる一皿ですが、食べる者に威圧感を与えない、この静かで穏やかな、しみじみとした美味しさが「グリルグランド」さんの真骨頂なのだと思います。

◆ 特製オムライス 
DSC_0396

特製オムライスは、オムハヤシのソースよりも甘味も酸味も勝っていて、まろやかながらメリハリのある味わい。具の形こそ見えませんが、野菜や肉の旨みが全てが溶け込んだ滑らかなソースは、思わず舌を鳴らして食べてしまいそうです。スプーン1本で頂けてしまうオムライスは、ただでさえ食べやすさ満点のメニューですが、「グリルグランド」さんのそれは、スプーンを持つ手が止まらず、ついついハイペースになってしまうのが、難点です。もっとゆっくり味わいたいのに…。

オムハヤシ特製オムライス、どちらが好きかという問いは愚問で、それぞれの良さが際立つ味わいには甲乙つけられません。オムライスとは、名前の響きもビジュアルも、もうそれ自体が幸せなイメージを喚起させる食べ物ですが、この日「グリルグランド」さんの、2種類のオムライスを頂いた私は、うっとりとするような幸せなひとときに浸りました。

帰る段になり、和室で頂いたので、案の定ちょっと足が痺れてしまいました(笑)。帰りにマダムが「2階でごめんなさいね」と気遣って下さいましたが、なんのこれしき!食べている間は、本当に足の痺れなぞ感じないほど、オムライスに夢中だった私です。

ごちそうさまでした。

2016年2月某日の旅先: 浅草「グリルグランド」さん

グリル グランド洋食 / 浅草駅(つくばEXP)浅草駅(東武・都営・メトロ)田原町駅
昼総合点★★★★ 4.2