無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

浅草「珈琲アロマ」~杏ジュース、赤マル急上昇~

「グリルグランド」さんでの食後、東宝劇場の跡地に新しく出来たという「まるごとにっぽん」に寄ってみましたが、平日にも関わらず結構な人いきれです。人が多かったので、全部をじっくり見たとは言えませんが、個人的には各地の伝統工芸品が揃った2階「和楽」というくらしの道具街のフロアに、一番興味を引かれました。
 
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とりわけ信州木工館は、木製家具や調度品はもちろん、信州といえばのオルゴールやギターもあって、木目が美しく、道具としても精巧な製品の数々に目を奪われました。コーナーの目立つ場所にディスプレイされた、飾り引き出しの数々がまたお見事!愛らしい仕掛けや、凝った細工が施されていて、飽きずに眺めてしまいました。
 
1階の食品フロアは更に人だかりで、行列が出来ているお店もちらほら。すっかりくたびれてしまったので、早々に退散し、同行者の意向で「珈琲アロマ」さんに伺いました。

◆ 杏ジュース
「珈琲アロマ」さんのメニューに杏ジュースがあるという情報を同行者が雑誌で仕入れてきて、杏好きとしては看過できずオーダー。昔、このお店でコーヒーを頂いたことはあるのですが、不覚にもその時は気がつきませんでした。生ジュースは他にもイチゴ、バナナ、オレンジの種類があるそうです。

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オーダーすると、奥さまがカウンター内の冷蔵庫からタッパーに入った砂糖煮の干し杏を出して、氷やシロップと共にミキサーでガーッと攪拌して作ってくれました。とろりと少し濃度があるジュースなので、程よい甘酸っぱさが口の中に広がったのちに、ゆっくりと冷たさが喉を下りてゆく感じが、快感です。想像していたよりも濃厚で、杏好きにはたまらない一杯。熱気にあてられていた体には甘露でした。

◆ オニオントースト 
同行者がオーダーしました。「普通トーストは3つ切りにするんだけど、2人で食べるなら2つ切りにしましょうか?」と気遣って下さったのですが、既にオムライスでお腹一杯なのと、生のオニオンが苦手な私はパスし、通常通り3つ切りにして頂きました。同行者曰く、「ペリカン」さんのパンを使ったオニオントーストも、これまた雑誌で紹介されていたメニューなのだそう。オニオンは生の辛みが効いているようで、隣にいてもしっかりと香りが感じられました。生オニオンを載せたトーストバリエーションは珍しいですね。
 
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と、ひとつ空けた隣に座っていた近所の常連さんお二人組が、「珈琲アロマ」さんの店内に置いてあった掲載雑誌(dancyuでした)を開いたので、その場にいた皆でしばし、店主の写真うつりや雑誌の反響などの、取材談義となりました。奥さま曰く「ここんとこ、私杏ジュースオニオントーストばっかり作ってるのよ」と笑っていらっしゃいました。はい、私たちもご多分に漏れず…(笑)。雑誌の影響力って凄いのですね。

浅草には昔ながらの喫茶店がたくさんありますが、どこもそのお店独自の名物があるのが、特徴的だと思います。店内が煙いのだけれどダントツに好きな「ローヤル珈琲店」さんのアスパラ&コンビーフ&チーズのホットサンドは、好き過ぎるあまり、我が家のメニューのスタメンにもなりましたし、「銀座ブラジル」さんのチキンバスケットやカツサンド「アンヂェラス」さん(なんと!店の外に行列が出来てました)の梅ダッチ「若生」さんのカレートースト、そして「珈琲アロマ」さん3つ切りトースト生ジュース…。

どのお店も、喫茶店としての居心地がいいのは勿論ですが、「あそこのあれが食べたいな」と思わせる名物は、訪れる楽しみをさらに倍増してくれます。「珈琲アロマ」さん杏ジュースも、たちまちトリコになってしまいました。これから暖かくなる季節に向けて、益々美味しく頂けそうなドリンクです。

ごちそうさまでした。

2016年2月某日の旅先: 浅草「珈琲アロマ」さん

珈琲アロマ喫茶店 / 浅草駅(つくばEXP)田原町駅浅草駅(東武・都営・メトロ)
昼総合点★★★☆☆ 3.5