吉祥寺「al Hamal(アルハマル)」~苦手な人にこそ!澄み切った味わいのラム&パクチー料理~
昨年、エスニック料理店が軒を連ねるヨドバシ吉祥寺裏にオープンした「al Hamal(アルハマル)」さんは、中東ベースの無国籍料理。気にはなっていたのですが、わけてもラムとパクチーが二枚看板というレビューを拝見してからは、興味が倍増。早速予約を入れて、伺いました。
◆ パクチーモヒート
◆ 自家製クミンパンとフムス
◆ パクチーとソテーしたラム肉サラダ ベリーソース
お店のイチオシメニューだそうですが、なるほど確かに!この日一番印象に残った一皿でした。ラムとパクチーを主役に、フェタチーズや生マッシュルームなど個性溢れる面々が揃っていますが、少しもクセを感じさせず、甘酸っぱいベリーソースのお陰で、なぜこうも…と驚くほど爽やかにまとまっています。このベリーソース、美味し過ぎて、お皿を下げるのを待ってもらったほど。瓶詰にして販売してほしい!
◆ レモングラスフレーバーのラムリエット
◆ パクチーとブルーチーズのふわふわオムレツ
クセもの好きの嗜好をバッチリ捉えたメニューの数々に、笑いが止まりません。外側はカリッと、中はふわとろに焼き上げたスペインオムレツ風で、こちらもパクチー&ブルーチーズの個性的な風味を、卵のまろやかさでひとつにまとめあげています。パクチーやブルーチーズが苦手な人でも、これなら美味しく頂けるのではないでしょうか。
◆ いろいろなラム肉の盛り合わせ
(ラムチョップ、プロシェット、塩漬けコンフィ、ローストラム、ラムベーコン)
(ラムチョップ、プロシェット、塩漬けコンフィ、ローストラム、ラムベーコン)
サラダの時点から感じていたことですが、こんなにも軽やかで、クセを感じさせないラム肉料理は珍しいかもしれません。ラム好きにとっては、草原のような芳香もまた魅力のひとつですが、「アルハマル」さんのラム肉は、その香りさえも上品。過剰なスパイスによるごまかしなく、肉そのものの風味の良さを味わえるのです。ラムが苦手な方にこそ、ぜひトライしてみて頂きたい上質なラム肉料理だと感じました。
◆ ラムとパクチーのフォー(ハーフサイズ)
ここまでで随分とお腹がくちくなっていたのですが、どうしても食べたくてフォーのハーフを頂きました。ハーフでも、このゴージャスさ。食べ応えあるラム肉と山盛りパクチー、穏やかな塩加減のスープ、やや歯ごたえを残した茹で加減のフォー…直球ど真ん中の好みのフォーでした!
この日オーダーした品々はどれも予想を上回り、いっぺんで気に入ってしまいました。パクチー&ラム、クミン、ブルーチーズなど個性的な食材や、エスニックな味わいが好きな私でも、無国籍料理のジャンルに散見されるような、食材のクセを強調したぐいぐいと迫ってくる料理だと、食べ疲れてくることがありますが、「アルハマル」さんのお料理には、それが全くありません。食材の個性を残しつつ、それらを突出し過ぎることなく、印象深い味わいを残すひと皿の料理として昇華させているのがお見事です。
お料理同様、インテリアも程よいバランス感覚でした。トルコモザイクやトルコランプが配された、オレンジ&ブルーの店内は、程よくオリエンタルなエッセンスが加わっていますが、エキゾチックムードが濃すぎず、リラックス出来る空間でした。
また、シェフお一人で切り盛りされているにも関わらず、丁寧且つタイミング良い接客で、大変心地良くディナータイムを過ごすことが出来ました。メニュー数は物凄く多いという訳ではありませんが、ツボを押さえたそそられるメニューばかりで、他にも食べてみたいものばかり。再訪はもちろん、メニューの全制覇を誓いました。
ごちそうさまでした。
2016年3月某日の旅先: 吉祥寺「al Hamal(アルハマル)」さん
アル ハマル (アジア・エスニック(その他) / 吉祥寺駅、井の頭公園駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.8