無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

銀座「渋谷ロゴスキー 銀座本店」~祝復活!思い出のロシア料理~

彼の地には縁もゆかりもないのですが、私の母はどういうわけか昔からロシア料理好き。小さい頃は、凝り性の母が作ったピロシキや壺焼きキノコを家でも食べさせられていて、初めて外で食べたロシア料理も、母に連れられた行った「渋谷ロゴスキー」さん。中学生の頃は、なけなしのお小遣いを貯めて、母の誕生日にこのお店に連れていくというプレゼントをしたこともありましたっけ。

ロシア料理を食べに行こう!というテンションの人が周りにあまりいないので、外でロシア料理を頂く時の相手は自然と母になります。新宿「スンガリー」さん本郷の「海燕」さん神保町の「サラファン」さんなど都内はもとより、函館の「モーリエ」さん(ロケーション的に最高でした!)まで、ロシア料理店といえば、母に同行して訪問したお店ばかりです。

そんな母ですから、渋谷東急プラザ閉館で惜しくも閉店してしまった「渋谷ロゴスキー」さんが、銀座本店としてイグジットメルサ内に復活したことを喜んだのは、言わずもがな。この日は、偶然同じ時間に母も銀座にいることがわかり、予定外ながら「渋谷ロゴスキー 銀座本店」さんでランチすることになりました。母は既に何回か来ているそうですが、私は同じイグジットメルサ内の「銀座古川」さんに伺った際に、偶然このお店の存在を知ったものの、移転後初めての訪問でした。

ビルテナント店らしからぬ広さを感じる店内は、ワイン色のテーブルクロスや、ステンドグラスの天井、調度品など、クラシカルで落ち着いた雰囲気です。テーブルの配置もゆったりしていて、ゆっくり過ごせそう。
 
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◆ ラグマン
 
ラグマンは、中央アジア全域で食されているようですが、「渋谷ロゴスキー」さんでは、ウズベキスタンの郷土料理として紹介されています。この日の母の目当ては、このラグマン。これに半ライスやサラダ等がついたランチセットもありましたが、母はライスは不要と単品で頂いていました。
 
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ラグマン
というと、私は「パオ キャラバンサライ」さんで頂いた、羊挽肉入りの胡麻だれ和えそばバージョンしか経験がないのですが、「渋谷ロゴスキー」さんラグマンは、温麺仕立て。羊肉と野菜で具沢山の、辛味の効いたスープにもちもちの麺が入っていて、お腹の中からじんわりとあったまる一杯でした。

◆ きのこのカーシャランチ
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私は期間限定のランチセットを頂きました。きのこ入りのロシア風リゾット・カーシャをメインに、サラダの盛り合わせ、ウクライナボルシチ、ロシアンティーがセットになります。ピンクが美しいビーツサラダや、真っ赤なボルシチがテーブルに並ぶと、ロシア気分が一気に盛り上がりますね。

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キノコのカーシャは、数種のきのこの旨味で頂くあっさりリゾット。期間限定に惹かれて頂きました。美味しかったけれど、一度で気が済みました。やっぱり懐かしさを呼び覚ますには、壺焼きストロガノフにすべきだったかも…。
 
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しかし、食後にロシアンティーを頂くとしみじみと懐かしい気分になりました。小さい頃は、お店で覚えたロシアンティーを真似して、自宅でも紅茶にジャムを入れて飲むのが好きでした。甘い飲み物は苦手ですが、なぜかロシアンティーの甘さは別格。疲れが取れて、ほっと人心地がつく飲み物のように感じられるのです。
 
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「渋谷ロゴスキー 銀座本店」さんは、ランチタイムのLOが15時までと長めなので、銀座界隈で映画を観ることが多い母にとっては、大好きなロシア料理を頂ける上に、観賞の合間の食事に重宝するお店のだとか。この日も既に午前中の一本を観終えた彼女は、私とのランチを終えてから、もう一本観るのだと足早に去ってゆきました。さすが、筋金入りの映画好き。

一時期は、介護に追われて自分の時間など殆どなかった母が、こうして大好きな映画を観たり、ロシア料理を堪能する時間が取り戻せたことは、私にとっても喜ばしいことです。次は、ディナーでまたゆっくり来ようね、という約束は覚えていてくれるかな…。

ごちそうさまでした。

渋谷ロゴスキー 銀座本店ロシア料理 / 銀座駅東銀座駅銀座一丁目駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5