石神井公園「なかやしき」~好ロケーションの親しみやすい蕎麦~
浮世絵画家作品の展覧会などでお馴染みの「判じ絵」は、江戸っ子が好んだ洒落や風刺が詰まったなぞなぞ絵のようなもので、庶民の間で親しまれていた娯楽です。これを集めた「江戸の判じ絵と練馬の地口絵」展が、石神井公園ふるさと文化館で開催されていたので見てきました。東京に住んでいながら、西武新宿線以北エリアには殆ど縁がなく、ふるさと文化館はおろか、石神井公園に降り立つのも初めてでした。
判じ絵は、ユーモラスで可愛らしい画風が魅力的で、紙面の隅々まで描き込まれた絵の細かさも含め、見ていて飽きない面白さがあるのですが、一方の謎解きに関しては、当時の文化や用語を理解していないと分からないものが多く、注釈と首っ引きで見て回ると結構くたびれました。しかし、識字率の低かった当時の庶民たちが、この判じ絵をよすがに世情を知り、会話に興じていたことを想像すると、良い意味でバカバカしさ満載の判じ絵や、作者のドヤ顔が浮かぶような難解な判じ絵にも、ニヤニヤが止まらないのでした。
このふるさと文化館はかなり立派な施設で、常設展示室には、昔の人々の暮らしぶりがわかる民家や街並みのジオラマがあったり、練馬大根を始めとする練馬区ゆかりの歴史資料が並んでいて、思わず長いこと見入ってしまいました。昼は石神井公園駅方面に出て、公園入口の正面にある手打ち蕎麦の「なかやしき」さんへ。このエリアのお店に関しては全く情報を持っていなかったので、公園から近いロケーションと、食べログレビュアーさんのおすすめに従って選びました。
入口までのアプローチがある外観と、カウンターもある店内はモダンで洒落ていますが、公園散策の方やご近所さんらしきお客さんで賑わうアットホームな雰囲気。コンクリ打ちっぱなしの店内からは、残念ながら公園の風景を楽しむことは出来ませんが、公園口に面していて、石神井公園駅もバス停もすぐそばという好立地ゆえ、お天気の良い日はさぞかし盛況ではと推察します。
◆ 穴子天せいろ
蕎麦の香り高い風味という点ではやや弱いですが、盛りも良く、食べやすいお蕎麦だと感じました。蕎麦つゆも甘みを抑えてあって好みです。天ぷらはもう少し油切れが良いと嬉しいですが、穴子天・野菜天共に食べ応えがあり満足でした。抹茶塩も添えられてくるのが嬉しかったです。
◆ 親子南蛮そば
その後は、石神井公園を散策。地元の井の頭公園や善福寺公園にも負けず劣らず広大で緑豊かな公園で、散歩のし甲斐がありました。時間の関係で石神井池側しか回れませんでしたが、次は公園目的でゆっくり訪れてみたいと思いました。
ごちそうさまでした。
2016年3月某日の旅先: 石神井公園「なかやしき」さん