無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

麻布十番「ナポレオンフィッシュ」~10種以上のきのこ入り!珍しい発酵鍋~

実は鍋ものが苦手です。チゲ鍋や火鍋など、味の輪郭がはっきりしているものならまだいいのですが、寄せ鍋やちゃんこ鍋などの和出汁の鍋は、いくつもの味が多重奏的な旨味を生み出すというよりも、ごった煮的な結果になることが多く、どれを食べても同じ味のような気がしてくるので、途中で食べ飽きてしまうのです。作り方や頂き方にも問題があるのかもしれませんが、どうも鍋料理とは相性良しとはいきません。

冬の間もお誘いがない限りは、鍋料理に向かうことはまずないのですが、「ナポレオンフィッシュ」さん菌鍋発酵きのこ鍋という珍しい鍋料理には心惹かれるものがあり、中華のジャンルに対する安心感もあって訪問を決意。恐らく自発的に食べにゆく今年最後の鍋なのでは、と思いながら出掛けてきました。

◆ 老虎菜(山盛りパクチーサラダ特製ゴマソースがけ)
DSC_0693
鍋の前に軽いメニューをいくつか。特製ゴマソースがはっきりした味で、パクチーのクセの強さに負けていません。その名の通り山盛りで、量的にも満足で美味しかったのですが、濃いめのソースの味にパンチがあり、次第に喉の渇きが強くなりました。

◆ 極太もやしと自家製ベーコン炒め
DSC_0694
落花生もやしという種類のもやしは、かなりしっかりした歯応えで、食べでがあります。極太な分、もやし特有の微かな青臭さも際立ち、私はそれがいいと感じますが、苦手な人にはちょっとツライかも?

◆ 菌鍋発酵きのこ鍋
DSC_0696
具材は、アワビ茸、黄色ヒラタケ、トラマキ茸、エリンギ、白シメジ、舞茸、衣笠茸など10種以上のきのこと、干し豆腐の千切りというきのこ尽くしのラインナップ。乳酸発酵させた漬物、葱、陳皮、クコの実、ローリエなどの薬膳効果が高そうな素材が形のまま入ったスープで煮込んで頂きます。
DSC_0695
スープ自体が既に複雑な味わいを醸し出しているので、ここに様々なきのこを入れてゆくと、その旨味は更に奥深いものに。最後は、もはや旨味凝縮ダレのようになったスープに豚バラ肉を浸して頂き、完結です。
DSC_0697
珍しいきのこも頂けてキノコ好きには嬉しい鍋でしたが、全体的にやはり味が塩気が勝ち過ぎている気がして、残念ながら終盤はやや食べ疲れてしまいました。また、最後の豚バラ肉はうっかりサーブするのを忘れられていたようで、煮詰まり過ぎてしまったスープはかなり濃い口。お湯を足して薄めてもらったものの、もう少し早く豚肉が来ていたら、もっと美味しく頂けたのではと残念です。う~ん、やっぱり私は鍋料理との相性が悪いのかな?
DSC_0698

発酵をテーマに掲げた中華を謳う「ナポレオンフィッシュ」さんのことは、この鍋の存在を知る以前から気になっていて、店名にもなっているナポレオンフィッシュの酸湯魚や、黄色い麻婆豆腐など、発酵食品を巧みに取り入れたメニューに興味深々だったのですが、この日は鍋でお腹一杯になってしまい、他メニューには辿り着けませんでした。

余所では味わえない珍しいお料理がたくさんあるので、ぜひとも他のメニューを頂きたいとは思うのですが、今回少々濃いめの味付けの料理が続いたことに一抹の不安も覚えます。お酒を飲まれる方にはこのくらいがちょうどいいのかな…?暫く時間を置いてから、再訪してみたいと思います。

ごちそうさまでした。

ナポレオン フィッシュ中華料理 / 麻布十番駅六本木駅赤羽橋駅
夜総合点★★★☆☆ 3.0