無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

吉祥寺「里の宿」~なんでもっと早く行かなかったんだろう…~

人混みを嫌って土日祝日の吉祥寺には滅多に近づかないようにしているのですが、この日は人と待ち合わせての所用のため、やむなく休日の吉祥寺に。用事が済んだらちょうど昼時。このまま別れるのも名残惜しくランチすることになったはいいのですが、さて何処に行ったらいいものやら。ひとまず激混みの北口を避け、行ったことのない店に行きたいという同行者のリクエストを汲んで、「里の宿」さんに伺うことにしました。

私が知らないだけかもしれませんが、吉祥寺って意外ときちんとした定食屋さんが少ないように思うのです。そんな中にあって「里の宿」さんは、井の頭通りにある老舗の魚屋さん「魚初」さん直営の、由緒正しい魚定食が頂けるお店として、かねがね評判は伺っておりました。友人からもオススメの店と聞いていながら、これまで訪問したことがなく、今回初訪問です。

メインの魚はその日の仕入れによって異なりますが、かじきまぐろなどの定番から、のどぐろホウボウ、金目鯛まで、選べる魚は15種前後と豊富です。それぞれ、煮付け照り焼きなど様々な調理法に仕立てられていて、味のある手書き文字の品書きとにらめっこしながら、迷うこと必至。魚料理は基本全て一品でオーダー出来ますが、+200円で、ご飯味噌汁、副菜香の物が付いた定食スタイルになります。

◆ 銀だら味噌焼き定食(ご飯少なめ)+ ネギトロメンチ(単品)
銀だらは、普段はあまり積極的に頂かないのですが、何故か惹かれるものがあってオーダーしました。魚屋さん直営なのだから、きっと美味しいに違いないという期待はもちろんあったのですが、一口目から予想を遥かに超えた旨さ!私が苦手とする銀だらのオイリーな感じは皆無で、むしろふっくらジューシー。味噌焼きの、味噌の味わいもちょうど良く、ご飯が進むこと進むこと…。
 
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ご飯も、切り昆布の副菜も、帆立(!)入りの味噌汁も、しゃんと背筋が伸びるようなすこやかな美味しさで、至極真っ当な食事をしている心地よさに浸りました。追加したネギトロメンチも、ざくっとした衣の中にまぐろの旨味が詰まっていて、冷たいビールがほしくなる~。

◆ 鯵塩焼き定食 
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同行者がオーダーした鯵の塩焼きは、ふっくらと焼き上げられたが2尾。ちょっと味見させてもらいましたが、身が美味しいのはもちろんのこと、肝の濃厚な旨さに震えが走りました。内臓由来の臭みは全くなく、フォアグラやあん肝のような、まろやかさとリッチな舌触り。新鮮な鯵だからこその美味なのでしょうが、こんなに美味しい肝は食べたことがありませんでした。

殊更魚嫌いというわけではなかったのですが、これまでは、二択だと肉を選んでしまう傾向にあった私。ここ最近、もっぱら魚を欲するようになってきたからこそ、「里の宿」さんに足を向けた訳ですが、この日の一食で改めて魚料理の美味しさに開眼しました。近所に住んでいながら、友人からも薦められていながら、何故もっと早くこのお店を訪れなかったのだろう…と後悔しきり。

刺身
煮付けも大変美味しそうでしたし、魚×調理法の組み合わせ次第で、頻繁に通っても色々な魚料理を味わうことが出来そうです。後悔を払拭すべく、今後通い詰めたいと思います。

ごちそうさまでした。

2016年4月某日の旅先: 吉祥寺「里の宿」さん

里の宿定食・食堂 / 吉祥寺駅井の頭公園駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5