代々木八幡「Cristiano's（クリスチアノ）」～これぞウェイターの矜持！～ - 無芸大食・読書亡羊～美味しいものと本と旅～

何度も予約の空振りが続いていたけれど、連休突入前に運良く予約が取れた「Cristiano's （クリスチアノ）」さん。予約困難なお店になればなるほど、食べたい気持ちありきで予定を立てることができず、予約の取れた日に食べたい気持ちをアゲていくという流れになりがちで、たまにそれを厄介に感じることもあるのですが、ポルトガル料理はAlways welcome。あのお料理が頂けると思うと、途端に舌がポルトガルモードに切り替わります。

「クリスチアノ」さんのメニューの多さには、毎度嬉しい悲鳴をあげさせられます。もともと好きな食材が多いポルトガル料理にあって、更にシェフのひとひねりが加わった、ソソるメニューが揃い踏み。お腹よりも、目や舌があれもこれも食べたいと訴えかけてきて、候補を絞るのにもひと苦労です。

◆ バカリャウのコロッケ（プレーン、クレソン、イカスミ）

ポルトガル料理の定番ですが、この他にも味のバリエーションが。カリカリ＆ほくほくの食感と、鱈の塩気と旨みでビールが進みます！

◆ 青いちごと菜の花のヨーグルトサラダ

ほろ苦さと酸っぱさが融合した組み合わせで、とても美味しかったです。

◆ 鶏レバーのポルト酒ソテー

前回も頂いたメニューですが、ねっとりまろやかなレバーにポルト酒の甘味とコクが絡みついた絶品。このソースを残すまいとパンを別オーダーしました。

◆ 大根もちのフリットきのこのディップ

これはきっとポルトガル料理というよりシェフの創作料理…？大根もち好きなので、思わずオーダーしてしまいました。カリッとした衣の中から大根もちのもちもちとした食感が現れます。大根もちも、きのこのディップも淡白な味わいながら旨みが濃く、妙に後を引く不思議な一品でした。

◆ 豚肉と蛤のアレンテージョ風

ポルトガル料理といえば、豚肉＆貝のコンビは鉄板！ランダムに頂いてももちろん美味しいのですが、「じゃがいも・豚肉・蛤・レモンをひとつずつフォークで串刺しにして食べるのも美味しいですよ」とのアドバイスに従って頂いてみると、確かに！ひとつひとつの味がくっきりしつつ、口の中で一体となった時の旨みに恍惚となります。

◆ アローシュドーシュ（ポルトガル風ライスプディング）

デザート2種は甘くて優しい味わい。黒目豆が可愛い！

◆ らくだのよだれ（キャラメルムース）

目が卑しくてついついオーダーが前のめりになってしまう私ですが、「クリスチアノ」さんでオーダーを取って下さるホールスタッフの方はいつも、「まずは●●までにしておいて、まだ食べられそうだったら▲▲もお持ちしましょうか」などと、やんわりとセーブをかけてくれます。同年代女性に比べて胃袋の大きさには自信のあり、飲食店で食べ物を残すことをはしたないと思う私ですが、実は以前その方の制止を振り切ったばかりに、結局頼み過ぎて無理矢理お腹に収めたことが。シェフが丁寧に作ってくださった、せっかくの美味しいお料理に対する冒瀆とも言える行為を猛省しました。

このスタッフの方（村上淳さん似？）は、料理の説明やオススメ料理のアドバイスはもちろんのこと、美味しく頂くための食べ方をアドバイスして下さったり、食事の進み具合に合わせて相談に乗って下さったりと、食事の時間をより良いものにするためのサービスを弁えていらっしゃいます。海外のレストランでは、こういったプロ意識が高いウェイターやギャルソンに遭遇することは多いのですが、日本では、常連でないとコミュニケーションが取りにくい店もまだまだ多いように思います。私にとって「クリスチアノ」さんが「また行きたくなるお店」であるゆえんは、こういったサービスの高さにもあります。

「いくらでもお召し上がり頂きたいんですが、お腹いっぱいにしちゃうと美味しく頂けなくなってしまうので…」と仰るその方のアドバイスに素直に従い、今回はセーブしながら最後まで美味しく頂きました。ちなみに、前回頂いた下記も、記憶に残る忘れがたい味の数々。お腹に空きさえあれば、本当は今回も再度オーダーしたかった…。また頑張って予約を取って、行かなくちゃ！

◆ ピリピリソースをかけて食べる生チーズ