無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

東高円寺「圳陽(SEN YO)」(再訪)~アメとムチの快感…?~

空が綺麗に晴れ渡り気温も増してきた4月の最終週、GWを目前に控えた平日のある日、東高円寺「圳陽(SEN YO)」さんを再訪しました。決してアクセスのいいロケーションではない(失礼!)のですが、ランチタイムをちょっと外れた13時過ぎにもかかわらず満席。どうやら近隣にお勤めの皆さんの社食と化している感もあり、「お、お前も来てたの?」などとお店のあちこちで同僚や先輩後輩らしき挨拶が交わされていました。そりゃそうだな~、勤め先の近所にあったら私だって毎日ランチに通うもの。

◆ 四川麻婆豆腐(ランチ・ご飯少なめでオーダー)
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こちらの四川麻婆豆腐の中毒性のある美味しさについては、以前書いた通り。しかし、この日はカウンターの一番左、シェフが腕を振っている厨房の真正面とも言える場所に座ったので、私の麻婆豆腐が届く前から煽られる熱風とスパイシーな香りに包まれ、早くもハンカチが手放せなくなりました。ランチサラダで気を鎮めてみるも、一度反応してしまった身体は勢いを増して、ばっちり発汗態勢に入ってしまいました。

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そうこうしているうちに、熱々のスープがサーブされ、土鍋にぐつぐつと煮えたぎった四川麻婆豆腐が到着!香辛料の香りと湯気が顔面を直撃するばかりか、お隣さんの麻婆豆腐からのWパンチ、更には正面厨房では新たな麻婆豆腐が生み出され…もう空気が熱い!とはいえ、熱々の麻婆豆腐の美味しそうな香りには抗えず、舌を火傷しそうになりながら、熱いの辛いの痺れるのに悶えつつ、お、美味しい…と感動にうち震えました。左手にはタオルハンカチ、右手にはレンゲの構えで、止めどなく流れる汗を拭いながらも土鍋から顔を上げられません。暴力的とも言える痺れと戦い終えてぐったりですが、なんとも言えない幸福感に包まれました。

◆ 杏仁豆腐
格闘終えてふと周囲を見渡すと、ランチタイムのLO間近になって人もまばらに。あまりにも身体が熱くなってしまったので、気を取り直してデザートに杏仁豆腐を頂きました。ムチ(四川麻婆豆腐)のあとのアメ(杏仁豆腐)の美味なこと…! 
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「SENYO」さん杏仁豆腐を頂くのは初めてだったのですが、潔いほどシンプルな佇まいに期待が高まりました。一点の曇りもない、真っ直ぐで瑞々しい味わい。甘さこそ控えめですが、冷たくつるりとした食感とコクのあるミルキーな味わい、独特の甘い香りに、胃と舌が喜び、火照った身体が鎮火していきました。うっかりした場所で頂く杏仁豆腐はまがいモノ感が強すぎて閉口してしまいますが、さすが「SENYO」さん、デザートも間違いのない美味しさでした。

とはいえ噴出した汗はなかなか引かず、風に当たって帰ろうと、蚕糸の森公園に寄り道しながら高円寺まで歩くことに。しかし、池の亀も甲羅干しに余念がないお天気で、初夏の気配が漂うこの日、高円寺までの道のりでは更にもうひと汗かいてしまい、メイクはハゲハゲ、髪はグズグズと、ひどい有様になってしまったのでした。
 
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人と会う予定があるときには、他のランチメニュー(も美味しそうでした!)をオーダーすべきなのでしょうね。しかし、どんなに汗をかこうとも、この四川麻婆豆腐のためなら何のそのの美味しさなのでした。

ごちそうさまでした。

2016年4月某日の旅先: 東高円寺「圳陽(SEN YO)」さん