無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

北海道・帯広「真鍋庭園」~たくさん工夫が凝らされたおとぎの国のような庭園~

5月の帯広旅行の記録が途中でした…。ちょっとタイムラグが生じてしまいましたが、記しておきたいと思います。

十勝帯広観光の目玉は、広い大地、穏やかな気候と気温の恩恵に与った庭園各種。観光ガイドに掲載されているだけでも8か所あり、「北海道ガーデン街道」と銘打った庭園巡りの旅も提案されています。

いつもの私の旅の目的も、「食」「建築・美術」「庭園・自然公園」の3本柱なので、十勝帯広の庭園巡りは楽しみでした。がしかし、北の大地は広い!今回は交通手段とスケジュールに制約があったため、帯広市内・とかち帯広空港からも程近い「真鍋庭園」を観光することにしました。
 
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「真鍋庭園」は樹木の輸入・生産・販売者が運営している庭園で、パンフレットには「植物のモデルルーム」というキャッチフレーズが。1966年から一般開放されていて、今年で50周年なのだそうです。24,000坪の広さの園内は、日本庭園・西洋風庭園・風景式庭園の3つのエリアで構成されていて、スケジュールに合わせて約30分~60分までの3つのコースで散策することが出来ます。今回庭園巡りはここだけなので、一番長いコースを辿って隅から隅まで散策することにしました。

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 庭園入口のウェルカムアーチをくぐってゆくと…

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まずは日本庭園。山や竹林が借景となっている日本庭園は定番ですが、高木を背景に取りこんだ日本庭園の風景というのは珍しいですね。海外の方が好みそうなダイナミックな景観で、和洋折衷な趣も感じられるのですが、なぜか北海道という地では違和感なくしっくり馴染みます。

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地下350mから自噴する地下水によって、真冬でも凍らないという「鯉の池」。春先には睡蓮の花を愛でることが出来るそうですが、残念ながら時季外れ。飛び石を伝って歩くと、鯉たちがそれに合わせて寄ってきました。可愛い!

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ヨーロッパガーデンには、チロルハウスをモチーフにした特徴的な赤屋根の家が。そして庭園の中にはガゼボが!中で休憩しつつ、景観を独り占め。風が吹き抜けていく心地よい空間でした。

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芝生の園路には、針葉樹がバランス良く配置されています。芝生広場には見事な巨木が。

庭園を一望できる展望デッキの裏側には、オリビンの滝なる滝が流れています。
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オリビンとは、宝石のペリドットで知られる鉱物岩で、この岩を用いて人為的に造成された滝であるからこの名前なのだそうです。札内川の伏流水を循環させているとのことですが、8mの高さから落下する滝はなかなかにダイナミック!滝壺付近はマイナスイオンに包まれてひんやり~。

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庭園奥のエリアは風景式庭園になっています。こちらの滝や池も札内川支流の地下水を利用したものだそうです。整えられた庭園もいいけれど、こういう自然風景を模したシンプルな庭園も魅力的ですね。

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本来ボーダーガーデンとは、沿道に沿って左右対称に植栽する様式ですが、色違いのカラーリーフプランツを向かい合わせにしたリバースボーダーガーデンも、見ものです。南園路は赤銅色と黄金色の対比で色違いにしていますが、北園路は花色の違う低木と、秋の紅葉色が違う高木を用いて対照混植しているのだそう。造園した方たちのセンスが伝わって来ます。

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出口付近に現れるのが、モンスターガーデン。開園50周年記念を記念して新規拡張された庭園だそうです。枝垂れ型の樹木を利用して、芝生からわき上がる精霊をイメージしています。遊び心が伝わる楽しい庭園です。

庭園内にはこの他にも、樹木を用いた名もないオブジェがところどころに。蛇や河童をかたどったらしきもの、エゾリスのえさ台として造られたもの…さりげなく置かれているのが微笑ましく感じられました。
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出口の正面にはツリーデッキが。思わず登ってしまいました。二人がけの椅子があるも激セマですが、これが隠れ家っぽくて最高!大人でも楽しいのだから、子供はもっとワクワクするんだろうなぁ。
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今回「真鍋庭園」は、交通手段とスケジュールの制約の中で唯一条件に当てはまったという理由だけで選んだ場所でしたが、ここではたっぷり2時間以上過ごしてしまいました。都内の庭園では見ることのできない、珍しい樹木やダイナミックな構成ゆえ、童話の世界に迷い込んだようなトリップ感も味わえ、大満足のひとときを過ごせました。

庭園の魅力は、四季によってがらりと様相が変わること。紅葉の時季はまた違った表情を見せてくれることでしょう。また別の時季にゆっくり時間をとって再訪したいですし、「十勝千年の森「六花の森」 などの他のガーデンにもぜひ足を延ばしてみたいと思いました。