無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

北海道・十勝川温泉「三余庵」~居心地の良い静かなお宿~

こちらも間が空いてしまいましたが、5月の帯広旅行の追記です。

十勝・帯広での宿泊は、十勝川温泉の「三余庵」さんにお世話になりました。こちらは部屋数11室の落ち着いた温泉旅館で、世界的にも珍しい植物由来の有機質を含むモール泉が引かれた温泉と、十勝の恵みを堪能できるお食事を期待しての投宿です。

エントランスを入ってすぐのロビーからは、隣接の第一ホテルのパークゴルフ場の緑豊かな木立の風景が広がり、北海道らしさ溢れる開放的な眺めを楽しめます。十勝中央大橋を渡ってすぐ、十勝温泉郷の入口付近にあるにもかかわらず、森の中にいるような静けさも感じられます。
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「六花亭」さんの帯広本店で散々お茶を楽しんだ後だったので、ウェルカムスイーツの温泉饅頭と冷たいお茶はお部屋に運んで頂き、しばし休憩。
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全室に備えられている檜風呂や、足に心地よい琉球畳や無垢のフローリング、漆喰や竹、手隙和紙など自然の素材で設えられた素敵なお部屋は大変居心地良く、テラスから望む緑の美しさも格別でした。
 
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部屋には「雪国」細雪」「万葉」など、小説や文学書のタイトルがつけられています。私たちの部屋は草枕。ルームキーがとびきり可愛いのです!こういう小さな感動が意外と後々まで旅の思い出として残るものですよね。
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一休みしたら早速温泉へ。茶褐色のモール温泉は、保湿成分が豊富なのにべとつかずさらっとしています。ガラスモザイク張りのお風呂や、風が気持ちよい露天風呂などを心ゆくまで楽しみました。
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お待ちかねの夕食はお食事処「春秋」で。さほど広い空間ではありませんが、壁を造らず、竹林のような柱と布のパーテーションでゆるやかに仕切ってあるので、ゆったりとした雰囲気で落ち着けます。
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◆ 先附(帆立湯〆、うるい、こごみ、味噌クリームチーズソース、いくら添え)
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◆ 前菜(蛸とスナップえんどうの桜煮ジュレ、砂肝チーズ、春告魚白抜昆布巻、紫花豆蜜煮、笹巻寿司、アオリイカ、海老、蛇腹胡瓜、黄身酢)
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◆ 御椀(鳴門豆腐、焼筍、白魚唐揚、薄紅白玉、にゅうめん、茗荷、ふきのとう)
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◆ 御造り(本鮪、蟹市松磯部巻き、牡丹海老、さくら藻、桜鯛昆布〆)
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雲丹巻き平目、ホッキ貝のサラダ仕立て、玉葱と白味噌のドレッシング
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◆ 焼物(十勝産黒毛和牛炭火焼 熟成黒ニンニクソース、蕗味噌、クレソン、ニンニクチップ、ベビーリーフ)
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◆ 煮物(蛤、たらば蟹、キンキのブイヤベース仕立て、蕨、パプリカ、アスパラ、白髪葱)
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◆ 酢の物(長芋の千切り、梅肉、蟹、海苔酢ジュレ
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◆ 御食事(京蕗の土鍋炊きご飯、赤出汁、香の物)
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◆ 甘味(苺のムース、抹茶アイス、いちご、季節の果物)
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全体的に淡い味付けで、個人的な好みからするともう少しパンチが欲しいようにも思いましたが、コース自体は緩急ある献立が並び、全て楽しんで頂きました。

食べきれなかった御飯はおむすびにして頂きました。夜食として供された小さなおいなりさんと共に籐籠に入れて、部屋に持ち帰りました。
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翌朝は部屋についている檜風呂で朝風呂を楽しみました。
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朝食は、道産食材を使った洋食の数々を頂きました。ベーコンやウィンナーの肉類や、サラダやコーンスープの野菜はもちろん、牛乳やヨーグルトなどの乳製品も美味しいのが北海道ですね。
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いずれもお味は良かったのですが、着席時に全てサーブされてしまうので、温かいものがどんどん冷めてしまったのが残念。特にトーストしたパンが、平皿の上で水分が飛んで、硬くなってしまっていたのには興醒めでした。パンウォーマーとまでは申しませんが、せめて籠盛りにして布をかけて下さるだけでも美味しく頂けるのに…。

客室数が少ない分、サービスも行き届いていましたが、スタッフの皆さんの熱意の余り、パブリックスペースでは我々の一挙手一投足に視線を感じる場面も(笑)。もちろんホスピタリティあってのことですし、不快というほどではありませんが、つかず離れずのサービスって難しいものですね。

しかし、宿泊したお部屋はもちろん、施設内のセンスの良さは抜群で、大変居心地の良い旅館でした。旅行直前がバタバタとした時期だったので、気持ちの良い空間でゆるりと過ごすひとときを持てて、最高にリフレッシュできました。

十勝川温泉 三余庵旅館 / 稲士別駅札内駅
夜総合点★★★☆☆ 3.3