無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

銀座「割烹 唐井筒」~ありそうでない、鰈のあげおろしランチ~

外出中の母を掴まえるには、映画館のある街で会うに限ります。何しろ無類の映画好きで、この日も昼を挟んで銀座で2本ハシゴする模様。相談事も兼ねて会うことになり、ではランチを一緒にと、7丁目にある「割烹 唐井筒」さんで待ち合わせしました。

「割烹 唐井筒」さんはすっぽん料理が名物の割烹で、夜のお食事ではご縁がありませんが、豪華な内容の定食を1150円でリーズナブルに頂けるとあって、銀座では穴場ランチスポットではないでしょうか。素材としては決して珍しくはないのに意外と他では見かけない、揚げカレイのあげおろしや、にしんのオイル焼きなどのメニューに目が引かれます。もとやき梅肉ソースで、ぶり七味味噌焼きにしてあったりと、定番の魚も変化球に仕上げられています。もちろん御自慢のすっぽんを用いたすっぽん雑炊もメニューオン。

◆ かれいの揚げおろし定食
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迷いに迷ったけれど、やっぱり鰈が魅力的。鰈のお料理は煮魚バージョンもありますが、私は断然揚げおろし派。母も同様です。つゆに使っていないエンガワ部分の、パリッと小気味良い音と香ばしさを楽しみつつ、中央に箸を入れて、ほくほくとした身の柔らかさも堪能します。大根おろしの入ったつゆはしっかりめで、淡白な鰈の味わいにぴたっと寄り添い、同時にご飯も進ませる味付け。掌大の大ぶりの鰈も食べ応えがありますが、赤出汁、小鉢が2品、お新香デザートのお汁粉もついて、お腹も心も大満足な定食です。
 
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割烹といっても構えてしまうような店構えではなく、ご家族経営と見受けられる穏やかな雰囲気と、厨房で調理中も端々に気を配っていらっしゃる店主の心遣いが好ましいお店です。お昼時にはたちまち満席になりますが、一番人気はやっぱり鰈。そのうち他のお魚定食やすっぽん雑炊も…と思っているのですが、ついついかれいの揚げおろしの豪華さにつられてしまいます。なぜ数ある魚料理の中で鰈を出されているのか?という素朴な疑問も、いつかお尋ねしてみたいな…。

ごちそうさまでした。

唐井筒割烹・小料理 / 銀座駅新橋駅東銀座駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5