無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

吉祥寺「みんみん」~どっこい、ちゃんと生きている~

暑さが増してくると青息吐息で、夕食はもう餃子にビールだけでいい…となりがちです。元々、一年中餃子&ビールでもOKなくらいこの組み合わせは好きなのですが、夏の宵には極上の夕餉となるのは、今さら私が声高に叫ぶまでもありません。

この日も、家に帰って夕食の献立を考えるのももう面倒で、吉祥寺のハモニカ横丁にまっしぐら。駆け込む先は「みんみん」さん。夕食時のほんのちょっと前だったので、通し営業の店内席に余裕はありましたが、外にあるカウンターには持ち帰り餃子の列が出来ていました。なんてったって地元民のソウルフードですからね!

◆ 餃子(写真は2人前)
美味しそうな焼き目がついたビッグな餃子は、もっちりと噛み応えのある皮が特徴的です。底部分のカリッとした食感の後に感じる歯に食い込む優しい噛み応え、そしてキャベツやニラなどの野菜多めの餡のさっぱりした味わいのバランスに、すぐさまもう一個、と手が伸びてしまいます。大きめなのに何個でもいけそうなのは、旨味があるのにしつこくないから。 
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どこかで読んだ記事によると、餡に入る肉は僅かながら、鶏ガラ&豚骨のスープを注いで焼き上げているからこそのコクなのだとか。何度も通っている割にはカウンター席に座ったことがなく、まだその様子を目撃したことはないので真偽のほどは不明ですが、飽きの来ない"あとひき餃子"であることは、断言できます。

◆ あさりチャーハン
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餃子&ビールの〆に、いつもは中華そばをオーダーすることが多いのですが、同席者の希望でこの日はあさりチャーハンを。焼き豚や卵の他に、ふっくらとしたあさりのむき身が入った焼き飯風の炒飯です。てっぺんにはグリーンピース、脇にはザーサイ、そして雷文入りの八角中華皿というビジュアルも、青菜入りのスープがセットになって供されるスタイルも、完璧♪

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レンゲでガッと掬って口に入れるとまさに「ザ・炒飯」な、ご飯&ラード&具材の一体感をまず感じますが、咀嚼すると、ご飯一粒一粒がまんべんなくコーティングされた、米粒パラパラ感もしっかり感じられて、思わずにんまり。

ハモニカ横丁の中でも、私が足繁く通っている店は、「みんみん」さんと、「珍来亭」さんです。どちらのお店も、ライブ感ある厨房、客あしらいの上手な活気ある店内、といかにも町場の中華料理屋さんという雰囲気が好きなのです。メニューも気取りや衒いのない、シンプル且つ馴染み深いものばかりで、どれを食べても真っ当で飽きの来ない味わいに、ほっとします。

以前、地元界隈の面々での飲み会ネタで、吉祥寺の店の入れ替わりの激しさが話題に上がり、「雑誌Hanakoの吉祥寺特集は、翌年もう使い物にならないことも」という過激コメントもありましたが、一方で、この両店のように40年、50年と愛され続けているお店もちゃんとあるのです。店舗の老朽化や経営者の方の引退など致し方ない場合はさておき、いいお店は皆に愛されながら年月を重ね、味やサービスが残念なお店は消えてゆくというのは、自然な成り行きなのでしょうね。

ちなみに「みんみん」さんですが、ラーメンメニューは8種類ほどあり、いつか全部制覇したいと思っているのですが、あまりにも餃子に食べ応えがあるので、ラーメンを堪能するに至らず、未だ中華そば(これもシンプルで美味しくて好き!)しか食べたことがありません。どうせ餃子は持ち帰れるのだから、ラーメンだけ食べに入ればいいようなものですが、餃子が焼かれている匂いを嗅いでしまうと、つい頼んでしまうのですよね…。いつか全種制覇する日まで…いえ、それ以降も、末永くお店が続くことを願ってやみません。

ごちそうさまでした。

みんみん中華料理 / 吉祥寺駅井の頭公園駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5