無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

四谷「徒歩徒歩亭」~こんな「冷やし中華」ならば!~

思いがけず毎日の予定があれこれと立て込んだ上に、連日の暑さですっかりへたばってしまい、随分長らくブログをさぼってしまいました。暴力的な日差しと熱気に怯んで、プライベートな外出もガクンと減ってしまいましたが、それでも3回に1回ぐらいの割合で気力を奮って(?)食べ歩きには出掛けていたものの、ブログを書く前に寝落ちしてしまうという体たらく。

しかし、なんとか夏バテせずにこの夏を乗り切るためには一にも二にも体が資本なので、夏場は無理せずのんびり書いてゆこうと思います。そんなわけで、食べ歩きの記録が結構たまってしまっているのですが、まずは夏場にふさわしいものから優先して紹介して参ります。

さて、夏の食べ物といえば、みんな大好き・冷やし中華ですが、私は小さい頃からあの甘めのタレが大変苦手で、中華料理屋さんの店先に掲げられた「冷やし中華始めました」の貼り紙にも、残念ながら心踊らないタイプです。けれど、やっぱり暑い日にはつるつるっと冷たい麺を啜りたいもの。ざるそばや素麺もいいけれど、もうちょっと豪華が具材が載っていて食べ応えのあるものを…というと韓国冷麺ぐらいしかチョイスがありませんでした。

が、今夏は違います!雑誌「おとなの週末」の冷たい麺特集に掲載されていた、とある一品がとても気になり、四谷にある「徒歩徒歩亭」さんというお店を訪問してみました。


 
よりによって、フェーン現象の影響で、都心では今年最高気温が観測された猛暑日のこの日、四谷見附の交差点で信号待ちをしているだけで、オーブンの中にいるかのような殺人的な熱気に包まれ、もはや焦げそう!ほうほうの体でお店に駆け込みました。

◆ 涼麺
私の目を引いた一品とは、「徒歩徒歩亭」さんの夏限定メニュー・涼麺なる冷製麺です。運ばれてきたそれは、大きな器にスープがなみなみと張られ、トッピングがこぼれんばかりに盛られていました。トッピングの内容は、豚バラのしゃぶしゃぶ肉、オクラ、貝割れ、えのきだけ、白髪葱、もみじおろしに揚げワンタン、胡麻と、私の好きなものばかり。
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台湾の麺線を連想させる、とろみのあるスープと極細つるつるの麺の組み合わせですが、味わいはもう少し和食寄り。キツ過ぎない心地よい酸味が効いた爽やかな醤油味で、くどい甘さが感じられないのは想像通りですが、塩気もちょうど良くて、このまま飲み干せそうなギリギリの塩梅です。

麺と具材の量も多く、とろりとしたスープが麺にも具材にもしっかりまとわりついて、なかなか終わりが見えず、食べ応えも十分ですが、貝割れやもみじおろしの辛味や苦味、揚げワンタンの食感など、味わいが変化に富んでいるので最後まで食べ飽きません。それでいて、食後の満腹感こそ感じても、胃もたれ感は皆無で、後味もすっきり。確かに冷製の中華そばではありますが、一般的な「冷やし中華」とは似て非なるもの。これはかなりヤミツキになりました!

前述の「おとなの週末」の記事によると、「美味しいを生みだす実験厨房としてオープンした」お店だそうで、メニューには他にも気になるものがたくさんありました。暑い日でなければお粥や温かいトマト麺も美味しそうでしたし、ご近所の常連さんらしき親子が注文されていた皿わんたんにも猛烈に惹かれました。なんだか色々と美味しそうなものを食べさせてくれそうな気配ぷんぷんですし、少なくとも夏の間にもう一度、この涼麺を食べに行くことは間違いありません。

ごちそうさまでした。

徒歩徒歩亭中華粥 / 四谷三丁目駅四ツ谷駅曙橋駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5