無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

渋谷「Luke's ロブスターロール 渋谷Park Street店」~日本で根付くか?ロブスター文化~

数年前にNYに旅行した際、限られたスケジュールの中で、行きたいお店をどれだけ回れるかという大きな問題(笑)に直面しました。現地にいる仕事仲間との会食も入っていたし、一食のボリュームと胃の許容量の兼ね合いも考慮すると、自分の自由にできる食事の回数は両手で収まってしまうほどだったので、取捨選択に散々悩み、泣く泣く諦めたお店は数知れません。

しかし、今や「サラベス」「クリントン・ストリート」「マグノリア」「ウルフギャング」「BLT」「シティベーカリー」「バビーズ」も、NYで話題になった店は次々に日本に上陸しているので、あんなに血眼になって食べ歩かなくても良かったかも…なんて思ってしまうことも。東京で食べられるとあらば、つい「いつでも行けるから」などと思って、かつての情熱も失せてしまって再訪もしないのは、我ながら節操無しだなぁと思います。

けれど、現地滞在中に何度もお店の前を通りかかりながらも、最後まで入店する機会を得られなかった「Luke's Lobster」が、日本に上陸すると聞いた時には、「よっしゃぁ!」と歓喜しました。日本では、アメリカでよく見かけるハンバーガーやホットドッグ、タコスなどのファストフード系のお店はあまり根づかず、すぐに撤退してしまうという印象があり、ロブスターロールの店なんて絶対日本では展開されないと思っていたので、少々意外。とはいえ、嬉しい誤算でした。

それほどまでに「Luke's ロブスターロール」の上陸を喜んでおきながら、この日まで訪問を躊躇っていたのは、ひとえに行列嫌いゆえ。1号店の表参道店は、座って食べられる場所は店先のベンチしかないということで、落ち着かないなぁ…と思ったのも理由の一つです。例の、「いつでも行けるから」という悪いクセが出てしまって、なかなか腰を上げられずにおりました。

今回やっと行く気になったのは、新たにオープンした渋谷Park Street店はどうやら穴場らしいと聞きつけたから。事実、訪問した際にはだぁれも並んでおらず、店内のテーブル席(といっても横長の狭い空間に9席あるだけですが…)に着席して、頂くことが出来ました。

◆ ロブスターロール(USサイズ)
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ロブスターロールは、甘みが強く、柔らかいと言われている爪と拳の部分を5尾分が、さくさくと軽い食感のパンにぎゅうぎゅうに詰まっています。じゅわっとジューシーな身からは、甲殻類特有の水っぽいような甘さが感じられますが、そこにレモンバターとスパイスが相まって、なかなかインパクトある味わいになっています。ジャンクさはなく、意外と上品な後味。スパイスは結構オレガノの風味が強く、私はむしろウェルカムですが、オレガノが苦手な人は、もしかしたら気になってしまうかもしれません。

◆ シュリンプロール
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この日は、あいにくクラブロールはメニューから外されていたため、小海老入りのシュリンプロールを頂きました。ロブスターロールに比べてこちらの方が塩気が強く、ビールなどのアルコールが進みそうな、はっきりした味わい。ただ、パンの温かさに対して小海老が冷たすぎなのが気になりました。この温度差は正解なのでしょうか…?パンをあっためて、冷蔵庫から出したフィリングをどさっと盛っただけ?という投げやり感を感じてしまうのは穿ち過ぎかもしれませんが、私にはこの温度のちぐはぐさが残念に思えました。

ロブスターロールは食べ応えがあって美味しかったですが、メニューがロブスターシュリンプ、クラブのロール3種とドリンクのみで、サイドメニューもないので、なんとなく味気ないという印象も覚えました。NY店では確かクラムチャウダーもメニューにあったと記憶してますが、スープやサラダなどの組み合わせがあれば、もっとちゃんとした食事仕様で味わえると思うのですが、現時点ではアメリカほどロブスターを食べる文化が浸透していない日本では、イートイン店舗は少々チャレンジングなのでしょうか?

ともあれ、NY旅行以来ずっと恋焦がれていたロブスターロールを頂くことが出来て気が済みました。個人的には、ロブスター自体は好きなので、もう少し腰を据えて味わえるお店として根付いてくれたら嬉しいなとは思いますが、今の業態のままだったら再訪は暫くないかな…?

ごちそうさまでした。

LUKE'S 渋谷 Park Street店パン・サンドイッチ(その他) / 渋谷駅明治神宮前駅神泉駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0