新宿御苑「麺や庄の gotsubo」~新しいけれど、ちゃんと美味しい~
相も変わらず暑さが続くので、家でも外でも昼の食事はついつい麺類ばかり頂いています。この日の麺は、新宿御苑にある「麺や庄の gotsubo」さん。ラーメン店は、夏の暑い盛りは特に足が遠のいてしまうものですが、今回は信頼できる方からのおすすめもあって、俄然興味が湧きました。
お店はその名の通り5坪(gotsubo)で、カウンター6席しかありません。カウンターの上には寿司ネタケースが…。でも、白を基調に所々に古材を使ってリノベーションされたインテリアは清潔感もあって、あまり狭苦しさを感じません。女性にも人気のお店と聞いていましたが、なるほどこれなら納得です。野菜がふんだんでヘルシーと話題になっているのはベジつけめんだそうですが、これは夜のみの提供なので、今回は夏限定の冷たい麺を頂きました。
◆ トウモロコシの冷たいラーメン
まずは、白い深皿に描かれた、イタリアンやフレンチと見紛う美しい彩りに目を奪われます。もちろん、オシャレな見た目だけではなく、味の方もなかなか凝っていました。ヴィシソワーズのようなトウモロコシベースのスープはこってりクリーミーに見えますが、動物性のクリームではないのか、ポタージュのような濃度ではなく、滑らかですっきりとした口当たり。また、塩味の出汁とブレンドされているのか、仄かな和のテイストも感じられ、後口さっぱりです。
ラーメンのトッピングの定番である柔らかい穂先メンマや、焦げ目がついたベビーコーン、正体がわからなかったのですが、紫キャベツのピクルスらしき酸味のきいたトッピングも美味しかったのですが、個人的には鶏チャーシューがとても気に入りました。真空低温調理された鶏チャーシューはあまり得意ではなかったのですが、しっとりとジューシーな食感ながら鶏臭さ全くない上に、噛みしめるほどにじんわり染み出る煮汁の味付が良く、まろやかで優しい味わいの一杯をピッと締めてくれる存在のように感じました。
いずれにしても、ひとつひとつの具材の個性は際立っているものの、口の中では決してケンカしないまとまりの良さもあり、完成度の高いバランス良い一杯だと感じました。食べ終わった後の舌と胃に感じる満足感と、冷たいラーメンを頂いた後の清涼感を同時に感じられる点も、かなり好印象でした。
後から気がついたのですが、こちらのお店は、麺庄グループさんの系列なのですね。以前、ラム豚骨ベースのスープに惹かれて後楽園の「MENSHO TOKYO」さんにも伺いましたが、果敢なチャレンジを試みながらも「イロモノ」で終わらず、美味しい一杯を追求する姿勢は、毎回驚かされます。オーソドックスな中華そば的ラーメンも好きですが、ラーメンの色々な可能性を広げてくれる、こんなタイプのラーメンもいいものですね。
両サイドの男性が召し上がっていたのは、醤油や塩の温かいラーメン。牡蠣エキスが入っているそうで、お店の人が注文をされた一人一人にアレルギーの有無を尋ねていらっしゃいましたが、隣から漂ってくる芳香が美味しそうで、牡蠣にあたったことのある私でも食べてみたくなりました。が、これはもうちょっと涼しくなってから…。次回はまず、夜のベジつけめんを試してみたいと思います。
ごちそうさまでした。