幡ヶ谷「您好」～餡はこちらのものが不動のNo.1～
突如「您好」さんの餃子が食べたい！と思い立ち、かなり久しぶりに幡ヶ谷駅に降り立ちました。以前隣駅の初台で働いていたことや、この沿線に実家がある関係で、以前は頻繁に訪問していたのですが、中央線沿線住民になってから暫く足が遠のいておりました。
早めの時間だったので、飛び込みでもなんとかギリギリ入店出来ましたが、お店は相変わらずの盛況で、テーブルにはずらりと予約席のプレートが。危なかった～。まずは早速、焼き餃子と水餃子を一皿ずつ。ビールと、一品料理も忘れずにオーダーします。
◆ 水餃子
レンズが曇るほどの湯気に包まれて、熱々で登場した水餃子。「您好」さんの餃子は、皮・餡いずれも文句なしの美味しさですが、皮の美味しさを堪能するとなれば、やはり水餃子。艶やかに光るもち肌の皮は、しっかりとしたコシがあり、もちもちというより、むっちりとした弾力を感じます。そして噛みしめた後に、粉の香りと旨味が炸裂！つくづく餃子の命は皮だよねぇ…と唸ってしまいます。
「您好」さんは、餃子のタレもまた私好み。干し海老などの乾物の旨味を凝縮した醤（ジャン）である沙茶醤が個人的に大好きで、炒めものに加えればたちどころに台湾風のテイストになるので多用しております。卵をおとしたしゃぶしゃぶのタレにも良いし、自宅で餃子を食す時には、必ず沙茶醤を加えたタレを用意しますが、「您好」さんのタレにもこの沙茶醤が入っているのです。旨味深いタレは、餡の塩気が穏やかで、粉の甘味もある「您好」さんの餃子と好相性！
◆ 焼き餃子
一方の焼き餃子は、惚れ惚れするような香ばしい焼き目が魅力。この焼き餃子は、一度茹でたのちに焼いていると聞いたことがあります。表面のパリッとした食感の直後に、はむっと優しく歯を押し返す歯応えにうっとり。さらに、楽しいのが粗めに刻まれたキャベツのシャキシャキとした食感や、ごろっとした肉の存在感がはっきり感じられる餡との調和です。
これは好みもありましょうが、京都の「亮昌 高辻店」さんのレビューにも書いた通り、とろみがついてべっちゃりとした餡が苦手なので、これぐらいのザクザク感が私にはたまらなく感じられます。「您好」さんの餃子は全方位パーフェクトだと思っていますが、特に餡に関しては、これまで食べてきた様々な餃子の中で不動のNo.1です。
◆ 海鮮酸辣の豆苗添え
こちらのお店は、ビールのアテに最適な冷菜や、一品料理・ご飯・麺ものも美味しく、餃子だけではちょっともったいない。シナモン香る腸詰を始め、それを使った炒飯など、名物料理も色々ありますが、今回は今まで食べたことのない料理をと、海鮮酸辣の豆苗添えを。
海老や帆立などの海鮮の他にしめじ、椎茸、葱、豆腐、豆など具がたっぷりの酸辣風味のあんを、さっと湯がいた豆苗にかけて頂きます。容赦ない酸味が感じられる餡は、酸っぱいもの好きにはたまりませんが、味つけは濃くなく、シャキシャキの豆苗と共に、さっぱりと食べられる夏向きの一品。こんな食べ方は初めてで、新鮮でした。
◆ 季節の野菜とあさり炒め
こちらは優しい塩味の炒めもの。スープかと見紛うほど、あさりのエキス溢れる汁が嬉しい！なんてことのないシンプルな料理だからこそ、しみじみとした美味しさを感じます。こういう一品料理を間にはさむと緩急がついて、更に餃子も美味しく頂けます。
◆ 揚げ餃子
他店ではふだんなかなか揚げ餃子にまで手を伸ばさないのですが、「您好」さんでは揚げ餃子も忘れてはなりません。美味しそうなきつね色に揚がったクリスピーな餃子で、更にビールが進むこと請け合い。揚げ上がりが軽やかなので、スナック感覚でパクパクとイケてしまう中毒性アリですが、必食の一品です。
水・焼・揚いずれの餃子も皮と餡の存在感が凄いのに、すいすいと際限なくお腹に収まってしまうのは、皮の旨さと、胃にもたれるようなしつこい油気を含まない餡のせいでしょうか。この餃子の特徴は既に知っていたにも関わらず、久しぶりに口にしてみると、改めて絶句してしまうような感動を覚えました。やっぱり間違いのない美味しさ。横着せず、また定期的に通うことを誓います！
ごちそうさまでした。
