無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

西大島「銀杏」~メニュー選びに迷う多彩な変わり蕎麦~

東京はここ数日でやや過ごしやすい気温に落ち着いたというのに、盛夏の食べ歩きの模様をお伝えするのはいささか間の悪いことですが、だいぶブログをサボってしまっているため、あれこれネタが溜まり過ぎて収拾がつかなくなっております(汗)。というわけで、季節感を無視して、いざ片っ端からご紹介。

以前から噂は聞き及んでいて、夏になったら行かねばと思いつつ、西大島という馴染みの薄い土地への距離感が先立って、これまでなかなか伺えなかった「銀杏」さん。都営新宿線でまっすぐ行けば辿りつくというのに、なぜか気持ち的に遠く感じてしまうのですよね。今夏はようやくえいっと決心して、7月末のうだるような暑さのある日、夏の冷製蕎麦を手繰りに行ってまいりました。

店名に「銀杏」とあるからには神社の近くかな?と想像していたら案の定、お店は愛宕神社のお隣にありました。西大島駅から歩いてすぐの場所ではありますが、場所柄、地元の方しかいらっしゃらないのでは(失礼!)…と危ぶんでいたところ、すぐそばにはHPさんのビルが…。そして、そちらにお勤めの方々も多くいらしているのか、店内は開店と同時に満席に。私たちの入店後も、空席待ちの列が出来ておりました。人気店なのですね。

◆ 冷製浅利蕎麦
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揚げ餅と薬味をたっぷり載せた夏の定番・銀涼蕎麦と迷いに迷った末に、今回は冷製浅利蕎麦を頂きました。ご覧の通り、涼しげなガラスの器を覆うが如く、ぷっくり大粒のあさりが並んでいて、涼を呼ぶ見目です。だしもきりっと冷えていて、あさり出汁の味わいが良くわかります。

◆ 紅の雫(とまとそば)
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同行者はとまとそば。ビッグサイズの輪切りのトマトレッドインパクト大の蕎麦。さっぱりと爽やかで、揚げ葱の香ばしさが良いアクセントになっています。トマトつけそばのようなタイプは見かけますが、生のトマトがどーんと載ったこういうタイプは珍しいかも。

胡麻のブラマンジェ
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セットデザートのブラマンジェが、単品でもオーダーしたいくらい美味しかったです。甘さ控えめな上に、トッピングの蕎麦の実で香ばしさがプラスされていて、蕎麦後の〆に最適でした。

「銀杏」さんのメニューブックがまたユニークで、随分長らく見入ってしまいました。石渡希和子さんとおっしゃる本職のイラストレーター兼フリーライターの方が描かれたメニューイラストと、味のある文字による説明書きが、可愛いだけでなく、とてつもなく美味しそうで、片っ端からオーダーしたくなりました。(著作権等が心配だったので写メは割愛しましたが、「銀杏」さんのHPギャラリーからご覧頂けるようです)

蕎麦屋さんのお品書きといえば、達筆で書かれたシンプルな渋いものも味がありますが、オリジナリティ溢れ、見目麗しい変わり蕎麦がたくさんあるこのお店ならではの、わかりやすく楽しい演出だと思いました。当初迷った銀涼蕎麦しかり、夏の季節蕎麦だけでも、海老おろし、夏野菜のじゅれ、とろろじゅんさい…など、どれも食べてみたい!

店内の雰囲気も良く、居心地も悪くなかったのですが、難を言えば、オーダー後にお蕎麦が出てくるまでに30分近く待ったのは、昼時だったので致し方ないのでしょうか…?また、具材との相性や喉越しを考えてあるのだと思いますが、お蕎麦自体は風味弱めなのが少々残念。ただ、今回頂いた2つの変わり蕎麦も、見た目や組合せのインパクトだけではなく、具と出汁との相性も良くてきちんと美味しかったので、遠路を厭わず再訪して、ぜひ他のメニューも頂いてみたいと思います。

ごちそうさまでした。

銀杏そば(蕎麦) / 西大島駅住吉駅亀戸駅
昼総合点★★★☆☆ 3.3