無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

駅弁買って、行くぜ、東北。

春を飛び越していきなり夏になってしまいそうな、急激な暖かさに包まれた東京を抜け出し、目下ホットワードとなっている東北方面へ。今回は傘寿を迎えた伯母を連れての旅行だが、私一人では不安極まりないので、彼女の妹である私の母との3人旅。地図が読めずスマホの操作も覚束ない方向音痴の二人を連れ、私はひたすらアテンドに徹する旅である。

観光先も食べたいものも、二人の希望を最優先としたが、元来好奇心旺盛で健啖家、旅好きな母はさておき、旅といえばパックツアー頼みでなんでも人任せ、少々浮世離れしている伯母との道中はかなり戸惑いも多かった。なんたって行き先を決める段階から「どこでもいい」というのだから。

身体の負担や日程を考慮した結果、母希望の観光先も含めて仙台を中心としたプランに決定。団体行動が苦手で、一人で過ごすのもへっちゃらな私たち母娘とは異なり、寂しがり屋で、常に誰かといたい伯母にとって、旅とは「どこへ行くか」ではなく「誰と行くか」が大事なのであって、私たちと共に旅すること自体が肝要らしい。喜んでいるのだから、それでいいのだが。

さて、最終目的地は仙台だが、まず東京駅から一路目指すは平泉。現地ではゆっくり食事をとる時間があまりなさそうなスケジュールとなったので、久々に駅弁ブランチ。旅行の時は早朝乗車が常の私にとって、駅弁の調達に7時以降のオープンの店では間に合わない。長らく愛用してきたグランスタダイニングの閉店以降は、もっぱら「駅弁屋 祭」さんにお世話になっている。6時前から改札内で営業している上に、選択肢も多いので、とても助かる。

◆鮭はらこ弁当
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宮城県に向かうにというのに鮭はらこ弁当なのは、今回の仙台滞在中、残念ながらはらこ飯を頂くチャンスがないのがわかっていたのと、数日前からとてもいくらが食べたかったが故のセレクト。鮭の切り身とほぐし身、そして錦糸卵の上にたっぷりのいくら、と食べたいものがてんこ盛りで満足。普段の食事では野菜や発酵食品をプラスしなくちゃ…などと栄養バランスが気になるところだが、××だけ!という思い切り偏った一食となる背徳感も、駅弁ならではの楽しみ。けれど、私には少々塩分過多な味付け。喉が渇く…。

◆山形のおもてなし弁当
母セレクト。下戸のくせに飲んべえの如く、小さいつまみがちょこちょこと並ぶ食事が好きな人である。かくいう私も、鮭はらこ弁当がもしなければ、これを選んでいたことだろう。横着して横から撮ったのでアングル悪し。 
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中に入るは、弁慶飯という名の、味噌を塗ってから高菜漬けの葉の部分で包んで焼いた庄内風の凝ったおにぎり、つや姫の白飯、紅鮭の押し寿司と3種のご飯もの。黒毛和牛と野菜の組み合わせ、玉こんにゃくと筍と鶏肉などの組み合わせの煮物が2種。山クラゲの塩茹でと、きのこの味噌和え。米沢牛の肉団子。豚肉の立田揚げ甘酢あん。磯風味のいかフライ。黒毛和牛の焼き物。おみ漬け・赤かぶ漬け・さくらんぼのシロップ漬けと漬けもの3種、と山形の幸をふんだんに盛り込んだ豪華版。こういうお弁当は、品書きをみているだけでも楽しい。美味しく頂いたそうだが、こちらも食べ終えた後に飲み物が欲しくなってしまう濃いめの味付けだったとか。

◆ホタテうに弁当
伯母セレクトの苫小牧の海の幸。わらびときくらげが入っているのがいい感じ。
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一ノ関までは2時間ちょっと。車中で駅弁を食べると存外に時間を食うので、ひと寝入りする間もなく到着。老齢の伯母にとっては、ずっと座りっぱなしだと身体に負担がかかるのでちょうど良い頃合いだ。本当に有難いなぁ、新幹線。

駅弁屋 祭弁当 / 東京駅大手町駅二重橋前駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5

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