無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

御茶ノ水「CHINESE DINING 新北京」~ツールー麺を探して~

外出を控えるよう警告されるほどの暑い日が続くと、食べに出掛けるのも躊躇してしまう。今夏は外食の際も西荻周辺ばかりだったが、久しぶりに目的を持って向かった先は、御茶ノ水

8月が終わる前に食べに行かなくてはと思っていたのが、山の上ホテル「CHINESE DINING 新北京」さんのツールー麺だ。
実はこれ、遥か昔に雑誌に掲載されていたレシピが気に入って、以来我が家の夏の定番なのだが、最近になって「新北京」さんにその原型があると知り、本家(本来、本家は中国を指すのだろうが)の味をぜひ試してみなくてはと思っていたのだ。「夏の冷やし涼麺フェア」として供される、夏季限定のメニューだそうなので、暑くたって今行かなくては来年までまたお預けになってしまう。すわ!
 
◆ツールー麺(醋滷麺
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私が作るツール―麺は、酢を加えた塩味のつゆそばに、花椒油で炒めた叩いた海老と挽肉、茹でたニラを和えてに載せるというもの。お店のメニューに記載されている正式名称は醋滷麺といい、中国古来のスタミナ麺として知られているのだとか。材料は私の知っているレシピ通りだが、味は当然ながら比べるまでもない。

何よりも出色はスープの味わい。全部飲み干してしまったのだけど、それが決して無謀な行為ではないのは、
塩気は極限まで抑えられていて、断然旨味が勝っているから。塩辛さや酸っぱさといった、とんがった味とは無縁なのだ。名前にも冠されているように酢も入っているが、仄かな酸味が爽やかさを呼び、はしたなくもごくごくと喉を鳴らして飲んでしまいたい感じ。途中で更に酢を加えても、コクが増しこそすれ、酸味が勝ってしまうことのない芯の通った力強さもあるから、食べ飽きない。
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海老はつるんとした舌触りとプリップリの歯応えが楽しく、ごろっとした挽肉とみじん切りのニラが良いアクセント。麺の量が大盤振る舞いで、食べても食べても減らない、凄いボリューム感だ。さすが、スタミナ麺…。スープが冷たいのは当然としても、麺も具も、そして器もきりっと冷えていて、こういうところまできちんと行き届いているからこそ、美味しさも倍増するんだよなぁ・・・と自己流のいい加減さを省みる。
 
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同行者は王道冷やし中華を。海老や蟹も入った見目麗しい豪華バージョンで、さすがホテルレストランメイド。

◆杏仁豆腐(セットデザート)
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食後には杏仁豆腐のデザートも付いた。ラズベリーが嬉しい!

自己流ツールー麺は好物のニラを多めにしたり、多少プロセスを省いて手抜きしたり、具を変えてアレンジしたりと、それもまた自分で作る料理の良さなのだが、
せっかくのお気に入り料理なので、今回のように他所の味を参考に、バージョンアップしていくのも楽しいだろう。もちろんあのスープの味には適わないだろうけれど・・・。

私が知らないだけかもしれないが、中華料理店でツールー麺のような料理をあまり見かけたことがない。北京料理専門店とかに行けば出会えるのだろうか?今後ちょっと極めてみようかな?

ごちそうさまでした。

CHINESE DINING 新北京中華料理 / 神保町駅御茶ノ水駅新御茶ノ水駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5