無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

青森県・三内丸山遺跡

青森市で迎えた2日目の朝。
お腹に余裕があれば、古川市場で「のっけ丼」を試してみようかと考えていましたが、昨夜「六兵衛」さんで調子に乗って少々食べ過ぎたので、胃を休めるために割愛。
ホテルの部屋でコーヒーを淹れ、昨日青森駅のそばにあるA-factoryという商業施設で購入しておいた「フライボール」というお菓子を、おめざ代わりに頂きました。地元のロングセラー商品だそうです。こし餡の入った丸い形の揚げドーナツなのですが、甘さ控えめで意外とあっさりとした後口で美味しかった!

この日は三内丸山遺跡と青森美術館を巡る日。早起きをして、9時の開館と同時に館内へ入りました。
特別史跡三内丸山遺跡は、約5000年前以上に実在していたと言われる、日本最大級の縄文集落跡として知られる有名スポットですが、私はこの日が初対面。
IMG_1649
IMG_1651
IMG_1655
こちらでは、広々とした敷地内に点在する復元建造物を、自由に見て回ることができます。
東京ドームおよそ7個分という、その巨大な集落規模にも驚きますが、約500棟の竪穴住居跡だけでなく、ゴミ捨て場である盛土、大型竪穴住居、お墓などの跡から窺える秩序あるが暮らしぶりや文化の存在にも驚嘆しました。
IMG_1664IMG_1661
緻密な作業のもと正確に復元された建物は内部に入ることも可能で、住居跡からは当時の縄文人の背の高さを、集会所として使用されたのではとの説がある大型竪穴式住居からはコミュニティの規模を体感出来る、ジオラマの良さが活きた展示だと思いました。
IMG_1657
IMG_1663
ミュージアム館内の展示もとても良く配置・工夫されていて、先ほどの住居跡での体感ともリンクしながら古に思いを馳せていると、私のように民俗学や歴史の予備知識が乏しい者でさえ、激しくロマンをかきたてられます。

当時の生活の様子を再現した映像や、実際に発掘された石器やアクセサリー、縄文土器、衣服とされていた繊維等を見ることで、遥か古代の集落の様子を容易に想像することが出来ました。その頃の青森は今よりもずっと温暖で、海の幸はもちろん、ウサギなどの肉、クルミや栃の実などの山の恵みも豊富で、醸造酒も作られていたというのですから、かなり豊かな暮らしぶりだったようです。
ヒトは、ただ息をしてモノを食べ排泄し繁殖するだけではなく、言葉を交わし、モノを生み出し、身を飾り、死者を悼み、文化を作り上げていく生物なのだと、感慨深い思いにとらわれました。
 
ミュージアムで映像観覧中の小腹なだめに、青森駅のコンビニで買った、その名も「イギリストースト」を味見してみました。山型のイギリス食パンにマーガリンとグラニュー糖をサンドした、思いっきりダイエット不向きな一品なのですが、意外にも甘すぎず、すっきりした後味。青森では定番のローカルフードらしく、市内のあちこちで見かけましたが、しゃりしゃりした不思議な食感は、なるほどやみつきになりそうです。 

2015年7月某日の旅先: 青森県青森市「三内丸山遺跡」