無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

青森県立美術館~やっと会えたね、あおもり犬~

絵や彫刻などの作品の世界観だけでなく、ブログやインタビュー記事などから垣間見えるお人柄も含めて、大好きなアーティスト、奈良美智さん。原美術館にある奈良さんのアトリエを再現した「My Drawing Room」や、A to Zカフェ詣ではもちろん済ませていましたが、弘前市ご出身の奈良さんの故郷青森県立美術館のシンボルマスコット「あおもり犬」にずっと逢いたかったのです。

青森県立美術館は、三内丸山遺跡跡から繋がった小道で行き来できるようになっています。
高さ8.5mのあおもり犬が屋外に展示されていることは知っていたのですが、その展示スペースに辿り着くまでの屋外通路が大変入り組んでいて一苦労でした。
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壁の向こうから突如現れるその姿は、わかっていても大感動!!
凛々しくも神々しくもありながら、優しくどこかとぼけたような表情に、見入ることしきり。他の観光客の方が自撮りを終えてハケていくのを見送ってから、さまざまな角度からとっくり眺めて堪能しました。幸せだぁ。
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興奮冷めやらずともお腹が空いたので、館内カフェ「4匹の猫」さんでお昼を頂きました。
青森県立美術館は、館内全体が真っ白に統一されたミニマルなデザインなのですが、こちらのお店は大きな窓にも面しているので、明るく広々とした印象。ミュージアムショップとも隣接しており、ガラス越しに目に入るあれこれ魅惑的なグッズに、気もそぞろになる私です。
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お料理は殊更期待を寄せていなかったのですが(失礼!)、この日頂いたきのこと胡桃のボロネーズは、アルデンテのパスタにトマトソースが良く絡み、香ばしいくるみがアクセントになっていて、きちんと美味しい一品でした。食後に頂いたアイスコーヒーも香り良くさらっとした飲み心地で、疲れた体に涼を呼ぶ一杯でした。ごちそうさまでした。
もちろん食後はミュージアムショップに駆け込み、Pup Kingのぬいぐるみや奈良美智さんのポストカードなどを買い漁ったのは言うまでもありません。

この美術館で他に見るべき奈良作品は、奈良美智展示室。ニューソウルハウスと名付けられた建物の内外にドローイングが配されていて、宝探しのように見て回るのが楽しい展示です。
そして、奈良さんの実際の故郷である弘前市に造られたオブジェ「A to Z Memorial Dog」の模型も。
もちろん翌日に弘前市のホンモノを見に行くのですが、もうここで既にアドレナリン出まくりです。
 
そしてもうひとつの目玉は、アレコホールと名付けられた空間です。ご存知シャガールが、亡命先のアメリカで、バレエ「アレコ」の舞台装飾に取り組んだ時の背景が3点が展示されているのですが、1点が高さ9m、幅15mと圧巻の大きさ。シャガールらしい独特の色使いの迫力ある絵に圧倒されました。

しかし何しろ広い館内、美術鑑賞というのは目も疲れるし、意外と小刻みに絶え間なく歩き回るので、足もむくんでパンパンです。余力があったら、足を伸ばして青森公立大学国際芸術センターにある野外彫刻も見てみたかったのですが、体と相談して断念しました。
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青森県立美術館は、直線だけでデザインするというビジュアルアイデンティティが生きた館内デザインも素敵で、水平・垂直・斜め45度の直線だけで構成されたオリジナルフォントや、木と青森の「a」をモチーフにしたシンボルマークなど、建築デザイン自体にもときめく場所でした。夜はライトアップされるそうなので、その眺めもきっと美しいでしょう。
9月中旬からは補強工事などで暫く休館とのことですが、再開したら改めて訪れたいと思いました。

2015年7月某日の旅先: 青森県青森市「青森県立美術館」